マジェランアイナメ(銀ムツ、メロ、オオナメ)漁業
マジェランアイナメは大型(2m、200kg以上)で長寿の魚で、この魚の入漁料はサウスジョージア政府にとって主な収入源です。
マジェランアイナメは高級魚で、㎞当たりU$25程度で取引され、その入漁権獲得も競争が激しくなっています。
マジェランアイナメの漁業は、底はえ縄漁でイカやニシンの餌を付けた数千個の鉤を最高2,000mの海底近くに流します。はえ縄漁は底引きトロール方式よりは格段に破壊度は少ないですが、それでも海底近くにいる冷水性サンゴなどへの悪影響があります。現在、カメラを使ったり混獲魚を調査したりして、そのインパクトを少なくするための方策を研究しています。さらに、サウスジョージア周辺の3規制海域では、はえ縄漁は調査用だけに限られてもいます。
当初は、毎年何千と言う海鳥が死ぬ被害が出ていましたが、厳しい規制によりサウスジョージア海域での被害ほとんどは無くなりました。
現在ではこの海域の漁業は非常によく規制されており、2004年に発足した海洋管理協議会(MSC http://www.msc.org/about-us-ja)が持続可能な漁業のための認証制をとっています。ここ数年、未成熟魚の数の減少が懸念されているため、漁獲可能量を減らしています。サウスサンドイッチ島海域では小規模なはえ縄漁でマジェランアイナメとライギョダマシが捕獲されています。
(南極旅行/サウスジョージア島12-1)