海底生物
サウスジョージア沿岸はちょっと見ただけでは、藻類が絡まった岩の間に見られる小さな2枚貝であるニシキウズ貝とカサ貝以外には生物がいないように見えるかもしれません。わずか1mの干満差、氷点に近い水温、そして冬には海氷が常に海岸を削るような潮間帯では動植物が増えるのは困難です。
しかし場所を選べば;例えば、小さな水たまりやクレバス、そして岩の下側などに色々な虫類、ちいさな甲殻類、海藻などが見られるでしょう。
干潮時最低水位点より深いところでは条件が大きく異なります。
海底は、海綿、イソギンチャク、ナマコ、ヒトデ、カサガイ、2枚貝軟体動物、棲管生無脊椎動物、サンゴなど、豊かで多彩な色をした生物の棲家です。
いまでも海綿などの新種発見がされます。サウスジョージアでは今までにおよそ1,500種類が記録されており、南大洋で最も豊かな海洋生物の宝庫であると言えます。
数は多いが種類に乏しいガラパゴス諸島などに比べて多くの種類が見られます。
サウスジョージアには南極に起源をもつ豊かな底生生物が生息しているだけでなく、北の、パタゴニア周辺起源の生物も見られます。
もちろん、サウスジョージアだけで見られる種類も多数あります。
(南極旅行/サウスジョージア島9-4)