魚類
北大西洋で見られるようなよく知られた魚に比べて、ここには大きな群れとなるニシン、タラそしてマグロのような中層の魚がいません。その代り、中層はほとんど、プランクトンを食べる小さいハダカイワシが占めています。
ハダカイワシはキングペンギンをはじめとする捕食動物の重要な餌で表面から1,000m位の水深まで見られます。
海底付近の魚類は南大洋特有のノトテニア亜目(ナンキョクカジカ類)の魚が大部分を占めています。その中にはマジェランアイナメ (銀ムツ)を含むナンキョク・ダラ類、コオリウオ類、バテュドラコ科やアルテディドラコ科などがあります。
それらのほとんどが大きな頭と細身を持ち、動きが緩慢でオキアミをはじめとする甲殻類、軟体類,そしてさらに小さい魚を食べています。
コオリウオ科はヘモグロビンがなく、白っぽく、無色に近い色合いをしている事から名付けられたものです。酸素は血漿内の液体が体中に運びます。
サウスジョージア近海で見られる3種のコオリウオ科の魚は雄が保護しやすいように海底のくぼみに産卵します。
ソコダラ類そしてエイの数種を含む底生魚はハエナワ漁の混獲魚としてよく鉤にかかります。ネズミザメ、オンデンザメなどもサウスジョージア近海にいますが、ハエナワ漁にかかる事は稀です。
淡水魚はいません。鱒を移入する試みは成功しませんでした。
(南極旅行/サウスジョージア島9-1)