地理
島の内陸部分は海岸線ほど荒々しくも恐ろしくもない。高い山の頂上まで続く岩は雲の中に消え、谷は絶え間のない雪原に埋まっている。
一本の木も灌木も見えない、小さな楊枝さえ作れないのだ。
ジェームス・クック船長1777
サウスジョージアは三日月形をした島で永住人口はありません。
長さ約170㎞、幅2~40㎞で、フォークランドの首都スタンレーから1,450㎞、ホーン岬から2,050㎞の距離にあります。
サウスジョージア島はティエラ・デル・フエゴから南極半島まで続く弓形をしたスコシア海嶺が水面上に出た部分で、海嶺はサウスシェトランド諸島とサウスオークニー諸島も含みます。アラーダイス山系とサルヴェセン山系がサウスジョージアの背骨ともいえる山並みです。
最高地点はペイジェット山(2,934m)で他に12もの2,000m級の山々があります。
島の北西部は比較的低地ですが、南東部は山々が海に垂直に落ち込むようなドリガルスキー・フィヨルドがあり、切り立った山頂部分は鋭くとがっています。
サウスジョージアは南緯53度56分から54度55分に位置し、北半球の英国北部やカナダ、ラブラドル州の対照的位置にありますが、周りの南大洋海流が冷たいので、ほとんど南極と言っても良い気候帯に入り、亜南極の島と言われます。
南極条約の境界線である南緯60度より北にありますが、南極海の境界線である南極極前線(南極収束線)より南にあります。
南アメリカに近く、もっと南にある南極大陸よりは温和な気候なので、多くの数と種類の動植物が生息できます。
船にとって海岸線は不気味で近寄りがたく、湾内やフィヨルド内以外はとても上陸できそうには見えません。良い天気の日の景色はすばらしいですが、海が荒れて陰鬱な低い雲が垂れ込めている時の黒い断崖や氷河先端部分は怖いほどです。
フィヨルドの奥にいくつかの安全な港があり、特にグリトヴィケンは港湾中の港と言えるほど安全な場所です。
崖に切れ目がある所には捕鯨基地に向く平地があるかもしれません。唯一の広い平地はカンバーランド・イースト湾とベイ・オブ・アイルのサリスベリー平原です。
20ほどの湖と数多くの小さな池が北西海岸沿いにあります。
たくさんの小川も谷を流れています。サウスジョージアにはバード島やウィリス島などの多くの離島が北西沖に、アネンコフ島やピッカーギル島が南西沖に、そしてクーパー島が東沖にあります。
シャグ・ロック(6島)とその近くのブラック・ロックが北西の方向250㎞に、クラーク・ロックとオフィス・ボーイズは南東方向65㎞にあります。
(南極旅行/サウスジョージア島4)