メガネケワタガモ、コケワタガモ
メガネケワタガモ (Spectacled Eider) カモ科ケワタガモ属 3種
コケワタガモ (Steller’s Eider)カモ科コケワタガモ属1種
メガネケワタガモは雌雄とも眼を取り巻く白色(雄)又は薄茶色(雌)の大きな眼鏡型の班が特徴です。
雄のコケワタガモは黒い眼を除きほとんど全体が白色の頭をしています。
ホオジロガモ同様に、雌雄とも飛ぶ際には翼がヒューヒューと音を出します。
両ケワタガモは世界中で4種(5種と言う説もある)いるケワタガモの内の2種ですが、全て北半球の高緯度地方に生息しています。
両ケワタガモ共湿った海岸ツンドラで営巣します。番(つがい)は共に4~5月にまだ氷に覆われている沿岸の場所を占拠して陸地の氷が融け始まるのを待ちます。
雄は産卵まで雌の近くにいた後、風切り羽 の換羽のため、沖合の流氷間の開水域(メガネケワタガモの場合)かあるいは沿岸の大きな群れの間(コケワタガモ)の避難所に向かいます。
子育てをするケワタガモは大きなジレンマに立ち向かわなくてはなりません。
沿岸ツンドラ湖は栄養分の多い昆虫の幼虫や甲殻類が豊富でそれらを最大限利用するために巣は湖畔に作る事が多いのですが、見通しが良いツンドラではカモメ、トウゾクカモメ、キツネなどの天敵に対して無防備です。
1970年代初期には両ケワタガモ合わせて推定100万羽を数えていました。
最近の信頼できる統計はありませんが、両種共大きく減少中のようです。
(北極旅行&北極クルーズ6-87)