ヒメクビワカモメ
ヒメクビワカモメ (Ross’ Gull)
ヒメクビワカモメは世界中のバードウォッチャーの間で最ももてはやされている鳥です。最も北極らしいカモメで、冬の間は凍結していない部分の北極海に居ると考えられます。
北米で初めて繁殖しているのが見つかったのは1980年にマニトバ州チャーチルです。個体数は全世界で1万羽未満と推定されており、カモメと言うよりはアジサシに似て、北極地方の沿岸ツンドラやタイガ とツンドラ帯の間にある川のデルタで繁殖します。水がそばにある草地やコケが盛り上がった所に浅い巣をつくり、中には細かい巣材が敷かれています。
雌雄交互でオリーブ色をした3つの卵を21~22日間程度温めて孵(かえ)します。
雛は最初親の吐き戻しをもらい、孵化後5日には餌をもらう時にしか親と会いません。そして15日目には1日4回餌をもらうだけなので、営巣地は寂れたように見えます。ヒメクビワカモメの好物は昆虫や海生無脊椎動物(甲殻類、軟体動物、蠕(ぜん)虫(ちゅう)(ヒモムシ等)を含む)で、時には腐肉も食べます。
水面近くの食べ物を飛び込んで集めます。大きな繁殖地はヴィクトリア島ですが、スヴァールバル諸島、フランツヨーゼフ・ランド、セヴェルナヤ・ゼムリャなどでも見かけます。
(北極旅行&北極クルーズ6-79)