シノリガモ
シノリガモ (Harlequin Duck)
シノリガモは北米沿岸で冬を過ごします。岩がちの沿岸地帯の入り江や森林に近く、流れの速い渓流がある場所で繁殖しますが、時には開けたツンドラでも見られます。乾燥した草で作り柔らかい胸毛などが敷かれた巣は、 水から20㍍ほど離れた灌木の下に作られます。
時には巣は大きな岩の割れ目や木のほこら、そしてツノメドリの古巣を使ったりもします。雌が抱卵を始めると雄は立ち去ってしまいます。
雌は6~8個の卵を28~30日間ほど温めて孵化後も雛の世話をします。
巣立ち成功率は高くて50~70%です。シノリガモは甲殻類、軟体動物、水生昆虫、そして若干の魚を好んで食べます。
潜る時は足と翼を使い、岩場で餌を漁る時は急流の水底を歩くこともできます。
シノリガモはどちらかと言うと、地表を流れる河川よりも餌が多く、湖から流れ出る激しく渦巻く急流に依存する「ヤマガモ類」です。
分布地域は、亜北極のヨーロッパではアイスランドのみ、カムチャッカ半島、チュクチ海南部、北米西部はアリューシャンから南部アラスカ~メキシコまでの太平洋沿岸、北米東部はバフィン島南部~グリーンランド南部の東西沿岸部。
(北極旅行&北極クルーズ6-76)