繁殖
繁殖(Reproduction)
鰭脚類は毎年出産と繁殖のために群れを形成します。
通常雌は1子を産み双子は稀です。出産後数日から数週間で交尾します。
受精卵は分割(卵割)して成長し、さらに分割と成長を続けますが、この成長段階にある物を胚盤胞(はいばんほう)と言います。
胚盤胞は子宮壁にすぐに着床せず発育が休止して子宮内に浮遊していて、これを着床遅延と呼びます。数か月後胚盤胞は子宮壁に着床し発育が再開します。
これによって、年1回の出産と交尾の周期の中で、着床遅延で妊娠が3~6ヶ月間休止するので、新生児は丁度良い時期に産まれます。出産と交尾はわずか1~2週間のずれなので陸上に来るのは年2回ではなく1回で済むのです。
鰭脚類の子供は最初の数か月は母乳で育ちます。母乳は白色、クリーム状で濃いので人間にとっては脂濃くて不快な味ですが、大部分が脂肪とタンパク質で水分はほとんど入っていません。
水分が少ない母乳は体積当たりの栄養分が高く、高脂肪で新生児が皮下脂肪を早く蓄積できるのです。
(北極旅行&北極クルーズ6-62)