食糧と水
食糧と水 (Food and Water)
「アザラシをとてもかわいそうだと思いますよ。こっちの脚に噛みつくまではね。」とアラスカでオットセイ猟の監視をしていた海生哺乳類の専門家が冗談めかして言いました。鰭脚類の口の中を見ればその理由が分かります。
鰭脚類はいつも魚やイカなどを食べており、ぬるぬるした獲物を捕まえるには鋭い歯が必要です。特に顕著なのは犬歯（セイウチは巨大）です。
セイウチの歯の形と捕食行動は独特です。セイウチは硬くてブラシのような口髭（触角毛）で2枚貝の動きを察知して、水管を文字通り吸い取って捕食します。
（貝全体を口の中に入れないで必要なものだけを吸い取る｡）
セイウチは一回の食餌で3,000～6,000個も食べます。多くの人は牙で海底の貝を掘り出すと思い違いをしていますが、牙は海底を滑りながら移動するときに、ソリの滑走部分に相当する使い方をするのです。
鰭脚類は水を飲みません。
必要な水分は食べ物や自分の皮下脂肪を新陳代謝させることによって補給します。
（北極旅行&北極クルーズ6-61）
