体温調節
体温調節 (Temperature Regulation)
寒さに対して循環機能は毛皮や皮下脂肪の断熱効果を補助できます。
皮膚と皮下脂肪の中の血管は寒くなると自動的に収縮し、かろうじて皮膚が凍るのを防ぐ量の血液だけを循環させます。これは薄い毛皮の鰭脚類に共通して言えます。オットセイの毛皮は非常に密に生えているので、空気を皮膚の近くに閉じ込めて皮膚が乾燥して暖かく(ほぼ中核体温 )になっていますが、厚い毛皮を持たない種の皮膚は辛うじて氷点を上回る1.6℃位まで冷えます。
鰭脚類は熱エネルギーの節約のために色々な事をします。鰭部分は断面積が薄いため体積に占める表面積の割合が高く多くの熱を発散してしまいます。
これは鰭の上側に毛が生えていないアシカ類やセイウチ類に顕著です。
陸上でのアシカは鰭を身体の下にしまって保温に努めます。セイウチなどはお互いに寄りかかって(あるいは重なり合って)熱を保ちます。
外気温が寒すぎる場合は、鰭脚類は水中に留まります。
(気温-40℃の強風でも海水温は-1.8℃より大きく下がる事はありません。)
逆に、過熱は問題です。鰭脚類は熱中症で死ぬことがあります。
冷やすためには皮膚に近い血管が拡張してその中を通る血液からできるだけ熱を放出させます。セイウチの血管は暑い時には広がって血液が皮膚近くに流れるので外から見ると赤く見えます。
陸上が暑すぎる時には寒すぎる場合と同じで、解決策は水中に避難する事です。
(北極旅行&北極クルーズ6-58)