出産と児の世話
クジラの乳児が、暖かい産道から極端に冷たくて息が詰まる環境に押し出される時にはあらゆる準備が整っていなければなりません。
ですから、クジラの新生児は母親の大きさに対する比率が陸生動物に比べて大きくなっています。
出産時の大きな体は相対的な表面積が少なく、おそらく熱損失も少なくて済みます。
クジラの子供は大抵尾から先に産まれるので、噴気孔は最後に出て来ることになり、難産であっても子クジラが水を吸ってしまう事がないようになっている事が知られています。子が産まれると母親か付き添いのクジラが水面まで連れて行き、最初の何回かの呼吸をするのを助けます。子クジラは最初、ぎこちないものの発達が早くすぐに泳いだり浅い潜水をしたり出来ます。
クジラ類は雌の体壁の溝に隠されている一対の乳首で授乳します。
陸生哺乳類よりも乳脂肪分に富んだ乳は乳房を取り巻く強力な筋肉によって水中に噴出されます。子クジラは母親や時には他のクジラが、特にストレスが多い状況では手厚く面倒を見ます。
親に依存する期間は長く、歯クジラの中には2年も授乳するものもあります。
依存期間が長い事で新生児の死亡率は低くなり、繁殖率の低さと出産間隔の長さを補っています。
(北極旅行&北極クルーズ6-43)