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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

ヘラジカ

ヘラジカ(Moose=北米種、Elk=ヨーロッパ種)偶蹄目シカ科ヘラジカ属
北米でムース、ユーラシア大陸ではエルクと呼ばれるヘラジカはシカ科最大の種です。その分布は北回帰線より北の全域に及んでいますが、更新世にシベリアからベーリンジア陸橋経由でアラスカに広がりました。
ユーラシアでは針葉樹林帯に限られていますが、カナダやアラスカではツンドラ全体に多数が見られます
。内陸の夏にハエの大群に悩まされると北極海の沿岸地方に移動します。カナダ諸島北部には生息していません。

ムースの生息地域はアラスカのブルックス山脈北側の河川低地と渓谷です。
これらの場所はヤナギ(特にヘラジカの大好物のアラスカヤナギ)が密生している地域です。温和な気温で餌場が広がったと考えられます。
通常ヘラジカは一定の季節ごとの生活圏内を行ったり来たりしていますが、冬の移動はヤナギの生えている所を群れで渡り歩くのでかなりの範囲を移動します。

発情期の初期(9月末~10月初旬がピーク)に群れをつくるようになります。
240~250日の妊娠期間の後に子供は5月半ばから6月初めにかけて生まれて、秋には乳離れしますが、母親と共に冬越しをします。

(北極旅行&北極クルーズ6-33)