ホッキョクジリス
ホッキョクジリス(Arctic ground squirrel)
ホッキョクジリスの北米最北端群はアラスカのバロー岬(北緯71度)で、複雑なトンネル網を必要とするため、通年生息コロニーは水はけが良くて草木の少ない場所に限られます。大抵氷河の氷堆積や川岸の土手の縁になっており、ツンドラの古い浜堤(ひんてい) にあります。
バロー岬付近の平坦な海岸ツンドラ地域は低い永久凍土層地面で、砂質の土が隆起した地形なので巣穴を造るには格好の場所です。
ホッキョクジリスは周期的季節活動を維持していて、毎年これを繰り返します。
基本的には、肥える、冬眠する、繁殖すると言う物です。冬眠は9月末に始まり、3月中旬から4月中旬にかけて姿を現します。
白夜のような日照時間が長い期間でもジリスは通常の昼夜のリズムがあるかのごとく行動します。
夜間活動がみられないのは、夜間の体温調節用エネルギー消費で餌取り効率が悪くなるためかもしれません。
ジリスは普通午前6時ころから午後8時ころまで活動的ですが、特に朝方が活発です。ホッキョクジリスの代謝効率が良いのは身体が適当な大きさである事、熱伝導率が低い事、日当たりのよい場所をうまく選んで活動し、寒い時間帯には活動をしない事、そして十分保温された巣などが理由です。
このため、周囲が比較的寒い状態でも高く安定した体温を維持できるのです。
ごく小さな地域の特殊気候をうまく利用して、冬の脂肪蓄積率を15~20%にするためのエネルギーを蓄えます。
とりわけこれは1年の内3~4ヶ月しか餌取りをできない動物にとって重要です。
(北極旅行&北極クルーズ6-23)