オーロラ(北極光)
北半球の冬にはオーロラ(北極光)が高緯度の暗い夜空に色彩豊かで活気にみなぎる光の饗宴が見られます。
れは高層大気の特定地域で放電して起こる物で、一部で言われているような日光が雪や氷に反射したものではありません。
電弧(アーク)および光線が地上160㌔から100㌔の高さに広がります。
この現象はオーロラ帯(グリーンランド北西の地磁軸極を取り巻く一帯で、チューレ付近)で極めて頻繁に現れます。
しかし、太陽の黒点が最大となる年には中緯度の地域でもオーロラが目撃されることがあります。これらはおおかた11年周期で起こり、最近の絶頂期は2011年でした。「磁気嵐」の際にはもっと南の地域でも見られる事があり、国際地球観測年(1957~58)にはメキシコ上空で2回観測されました。
オーロラ光は磁力線に沿って大気圏に進入する高層大気の荷電粒子が衝突して(衝撃を受けて)発生します。
粒子は衝突により大気中の原子および他の粒子をイオン化して電子と置き換わり、大気中の気体がオーロラ(光)を発します。圧倒的な黄緑色になるのは酸素原子が原因で、赤になるのは酸素分子とおそらく窒素分子がイオン化したものでしょう。
エネルギーが1万ボルトに達すると可視的現象となります。
陽子も磁力線に沿って入射しますが、まばらに拡散するため、その発光は目立たず、低エネルギーとなっています。
太陽の活動とオーロラ現象とは密接な関係がある為、オーロラの粒子は直接太陽からやって来るものと考えられています。
イオン化した気体(主に水素)は太陽から「太陽風」として流出し、これが地球の磁場の最外界(地球から何千キロも彼方)を乱します。
太陽分子の一部がこの外界の磁場に入るとオーロラ分子になりますが、これらは地球に接近する粒子よりも低エネルギーです。
オーロラは本来気まぐれで変わりやすいものです。
時には非常に良い観測が出来ると発表された途端に数分で消えてしまう事もあります。ですから、晴れた月のない夜にオーロラが報告されたらできるだけ早く外デッキに出てみる、又はデッキでオーロラ出現を待ち構える事が大切です。
(北極旅行&北極クルーズ5-6)