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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

地質学的背景

地質学的事例によれば、両極地はいつも赤道地域よりは寒冷であったようですが、各気候帯で目立った極端な変化は全地質年代を通じて断続的に起きていました。
地質学的には最近といえる、地球の平均気温が10℃位まで下がった更新世初期(180万年前)まで両極地には万年氷が無かったのです。
科学者達はその冷却化は陸地の分布、陸の地形、開水域、様々な太陽と地球の関係などの変化が原因であると考えています。
例えば、時代と共に地球自転軸の傾斜角度がかなり変化し、太陽に対する両極地の角度を変えてきました。
さらに、地球の公転軌道もほぼ円形から楕円形に変わりました。軌道が楕円だと受ける放射エネルギーは年間を通じ大きく変化します。
自転角度の変化と公転軌道の変化と言う2代要因と陸海の分布変化がおそらく地球の万年氷の増加蓄積(氷河期)か減少(間氷期)かを決定しているのです。

北極では、北極海が陸地で囲まれてしまうまでは海の万年氷は形成されませんでした。諸大陸の位置が、南からの暖流が北極海に流れ込み循環するのを妨げた事により形成されたのです。
北極海の中央近くにある北極点はアジア、アメリカ、ヨーロッパ諸大陸に囲まれていて南からの暖流がほとんど混じり合う事がないため万年氷に覆われた北極海盆が出来ました。北極海が氷に覆われるようになったのは大体2~3百万年前です。
それはヨーロッパ中央部とアジア、および北米、アイスランド、グリーンランドに万年氷が現れ始めたのと同時期です。

最近の地質学の歴史を見ると、北半球に何度か氷河期の到来がありました。
最近の物は8万年前頃に始まって1万年前頃に終わりました。
その間、氷床の増減変化が何度かありました。氷河期には氷床が前進したり後退したりの変化が何回か繰り返されています。
氷河期には北米大陸のほとんどと、グリーンランドは2,000㍍位の厚さの氷におおわれていました。ユーラシアではヨーロッパのほとんどから東へベーリング海峡までが氷におおわれていました。
今日、南極氷床が世界の万年氷の90%を占めて、グリーンランドが9%、残りは各地の山岳氷河となっています。両氷床ともほぼ毎年融解、蒸発、崩落などで減少する一方で、同じくらいの量を雪の形で得ているので自動継続状態です。
グリーンランドの氷河は特異な例で、氷河末端部では後退していますが、開水域からの蒸発と多くの雪で中央部の氷床は厚くなっているのです。

(北極旅行&北極クルーズ5-4)