ヌナブト準州

ヨーロッパ人が北へ向かい始めるより何千年も前に、北極には人が住み文化を発展させ、厳しい条件にも堂々と適応していました。
ロシア側北極には約30の明確な原住民グループが北極を自分たちの故郷と見なしています。5000年ほどの間、ロシアの極東チュクチ半島からグリーンランドまで、言葉から判断すると近い関係にあった二つのグループが繁栄していました。北極の残りの部分はスカンジナビアのサーミ（Sami）とフィン（Finnic）でした。

これらの北方民族の境界線は現在の政治的境界線とはめったに一致せず、しばしば交差しています。20世紀の冷戦状態がこれらの民族を分断しました。
同化・融合政策が原因で多くの伝統的特徴や言語が失われました。
しかし、一部の北方民族は生き残るために広報・宣伝活動を勝ち抜き、司法的にも戦いました。
そのような一例が結果としてカナダ北極、ヌナブト準州の誕生となったのです。

ヌナブトとはイヌイット語で「我々の土地」という意味で、ヌナブト協定（不動産変換同意書）の結果です。
1999年4月1日に設立されたこの準州は、カナダ北極東部にあり約200万㎢の面積があります。カナダ全体の面積の1/5を占めています。
26あるコミュニティはいずれも道路や鉄道では結ばれていません。
インフラ類の建設が準州の経済的独立には緊急不可欠です。

ヌナブトの人口33,387人の年齢はカナダで最も若く増加率も第一です。
2011年の平均年齢は24.8歳で、全人口の31.5％は15歳未満で、85％がイヌイットです。公用語は4つでイヌクティトゥット語、イヌイナクトゥン語、英語そしてフランス語です。

（北極旅行&北極クルーズ4-17）