北東航路
北東航路は北海からロシアの北極海沿岸経由ベーリング海まで続いています。
初めて西から東へ全体を完全航行したのはスウェーデンの地質学者で探検家のニルス・アドルフ・エリック・ノルデンショルド男爵で、ヴェガ号で1878~1879の2夏かかり、全行程の3/4進んだところで越冬せざるを得ませんでした。
彼の航海日誌には、キャセイ(中国)への旅のような達成困難な航海につきもののロマンチックで英雄的行為、驚くようなエピソードなどが全く見当たりません。
何海里ものシベリアを通り過ぎながらこみあげてくる大きな達成感だけが記されています。ノルデンショルドを駆り立てていたのは主に強い好奇心と科学的興味だったのでしょう。
(北極旅行&北極クルーズ3-4)