アイスランド

北緯65度／西経18度
地球上のどこよりも自然の力が顕著に表現されている場所がアイスランドです。
氷河、温泉、間欠泉、氷冠、ツンドラ、雪をかぶった山脈、広大な溶岩砂漠、滝、活火山の火口など全てが訪問者の眼を捕らえて放しません。
島内の火山130ヵ所の内18は歴史上活動記録があった活火山です。
文学愛好者の間では中世の西欧文学の中で最高位に見なされているサガ伝説の基礎がここで生まれたと言われています。戦いの話、愛、復讐とそのまた仕返しの物語にある場面がエギル・スカラグリムソンや思慮深いオーデュー（Audur the Deep Minded）などの伝説の時代がほとんど変わらずに甦ってくるのです。
アイルランドのカトリック僧達は9世紀初めまでこの島を隠遁所と見なしており、長期的入植はノルウェーからでした。スカンジナビア本土の政治的葛藤期だった870年から930年の間に避難した人々が移り住んだと考えられます。
アイスランドは930年から1262年までは共和制の独立国として黄金期でした。
アルシングと呼ばれる全島集会は世界最古の議会と言えます。その後の血生臭い混乱期に続くノルウェーとデンマークによる圧政の暗黒時代を経てやっと安定した政府が実現しました。完全独立に向けての努力はついに1944年に実現したのです。

国土の約80％は溶岩砂漠、氷河そして湖で、農耕が出来そうな場所は沿岸部だけです。アイスランドは地球の2つのプレートが向き合っており、そのため火山活動が活発な大西洋中央海嶺をまたぐような位置にあります。アイルランドと同じくらいの面積に人口27万の半分近くが首都のレイキャビクに住んでいます。
アイスランドはずいぶん北に位置していますが、それでも離れ島のグリムシー島とコルバインシー島がわずかに北極圏にかかるだけです。

（北極旅行&北極クルーズ2-23）