ハジロウミバト(Black Guillemot)
ニシツノメドリの仲間は、羽を風景に合わせたり、くちばしに魚をくわえたり、礼儀正しさに鋭い目を持っています。
名称:ハジロウミバト/Black Guillemot, Guillemot à Miroir, Tystie (Cepphus grylle)
体長:30cm
体重:320〜480g
生息域:北極圏の海岸線。
保全状況:低危険種(Least Concern)。
食性:魚類、甲殻類、海産無脊椎動物。
外見:黒い体に黒い嘴、翼に白い斑点があり、足は赤い。冬は白を基調に背中が黒っぽくなる。
ハジロウミバトは、どのように餌を食べるのでしょうか?
ハジロウミバトは、ダイバーで、比較的浅い海域で翼を使って潜水します。潜っていられる時間は約21分です。小さな獲物は水中にいる間に飲み込みますが、大きな獲物は嘴で十字に持ち、水面まで持ってきます。
ハジロウミバトは社交的ですか?
交尾期以外では、ハジロウミバトは通常単独かペアで行動しています。しかし、餌場では一緒になることもあります。
ハジロウミバトはどのくらいの速さで飛ぶのですか?
ハジロウミバトは通常、時速20km程度で飛行します。
ハジロウミバトの出産の儀式はどのようなものですか?
ハジロウミバトは4年で性成熟を迎えます。餌が豊富な北へ行くほど密度が高くなるコロニーで繁殖します。個体数の多いコロニーでは、1万組のペアが繁殖することもあります。岩の多い海岸に巣を作ります。小石、貝殻、海藻、または何もないものからなる巣は、通常、ある種の「屋根」を張り出すように岩の間に置かれます。
オスはメスを口説くために、嘴を下に向けて精一杯立ち上がり、大げさなステップを踏みながらメスの周りを闊歩します。卵は最大2個まで生みます。親は1ヶ月ほど交代で抱卵します。その間もう一羽が餌をとります。
孵化すると、親はヒナの世話と餌を食べに行くことを交互に行い、ヒナのために魚を持って戻ってきます。ヒナは孵化後1~2ヶ月で巣立ちます。水辺に降り立ち、飛べるようになるまで、自分のことは自分でします。
ハジロウミバトの寿命は?
ハジロウミバトは、野生では11年ほど生きます。
現在、何羽のハジロウミバトがいるのでしょうか?
現在、世界には40万〜70万羽のハジロウミバトが生息していると推定されています。
ハジロウミバトの天敵は何でしょうか?
ハジロウミバトのヒナと卵はネズミ、キツネ、ミンクの餌食になります。
ハジロウミバトに関する6つの事実
・ハジロウミバトは、ニシツノメドリなど同じウミスズメ科の仲間です。
・ハジロウミバトのなかには、魚をくわえる向きに好みがあります。その理由は定かではありませんが、好みの餌場と関係があるのではと、考える生物学者もいます。
・冬の羽毛の色は、特定の個体のハジロウミバトが北に行くほど白くなります。
・ハジロウミバトは、アイスランド沖の新しい火山島であるスルツェイ島(Surtsey)で繁殖する数少ない鳥の1つです。
・ハジロウミバトには5つの亜種があります。
1. Cepphus grylle arcticus – 米国北東部, カナダ南東部, グリーンランド, 英国, スカンジナビア, 白海
2. Cepphus grylle faroeensis – フェロー諸島
3. Cepphus grylle grylle – バルト海
4. Cepphus grylle islandicus – アイスランド
5. Cepphus grylle mandtii – カナダ北東部,スヴァ―ルバル諸島,シベリア,アラスカ
・ハジロウミバトなど、潜水して獲物を捕らえる鳥類は、一般に寒い地域にしかいません。水が温かくなるほど魚の泳ぎが速くなるからです。(水温が5度から15度の範囲では、泳ぐ速さが2倍になります。)しかし、鳥は、水温が変わっても泳ぐスピードは変わりません。さらに深い海域で見られるハジロウミバトは、非繁殖の傾向があります。
【北極旅行/オーシャンワイド北極の手引き】
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