スヴァールバルトナカイ(Svalbard reindeer)
絶滅の危機を救った小型トナカイの出生率は劇的に変化しています。
名称:スヴァールバルトナカイ(Rangifer tarandus platyrhynchus)
体長:1.5~1.6m
体重:50~90㎏
生息域:スヴァールバル諸島
保全状況:低危険種(Least Concern)
食性:草、ハーブ、スゲ、落葉低木などの維管束植物の豊かなツンドラ植物
外見:白色で、背中と顔に黒っぽい色がついています。
スヴァ―ルバルトナカイは、どうやって餌を食べているのでしょうか?
冬の間、スヴァ―ルバルトナカイは雪が積もりにくい山の斜面、尾根、台地などで採食します。夏の間、そして餌にアクセスしやすいとき、トナカイは次の冬を生き残るために十分な脂肪を蓄積するために、ほとんどの時間、餌を食べる事に費やします。
スヴァ―ルバルトナカイは社会性があるのか?
スヴァ―ルバルトナカイは、夏には5頭程度の小さなグループを形成する傾向があります。冬は餌場が限られるため、このような小さな集団が集まることもあります。スヴァ―ルバルトナカイは一般に人に好奇心を持ち、ゆっくりと近づいて様子を伺ってから、逃げるか餌に戻るかを決めます。
スヴァ―ルバルトナカイは、どのくらいの速さで移動するのでしょうか?
スヴァ―ルバルトナカイは、短距離走で80kmものスピードが出でます。しかし、ゆっくりと餌を食べながらそちこち移動します。
スヴァ―ルバルトナカイの出産儀式はどのようなものなのか
トナカイは3歳ごろに性成熟し、10月から繁殖期を迎えます。繁殖に成功した雄は、最大10頭の雌を集めてハーレムを作ります。妊娠期間は約7ヶ月で、6月には妊娠したメスごとに 1頭の仔どもが生まれます。授乳期間(約3ヶ月)の間に、スヴァ―ルバルトナカイの仔どもは約3kgから離乳時には約10kgに成長します。
スヴァ―ルバルトナカイの寿命は?
スヴァ―ルバルトナカイの寿命は平均10年ですが、中には17年も生きるものもいると言われています。
スヴァ―ルバルトナカイは、現在何頭いるのでしょうか?
現在、スヴァ―ルバルトナカイは約1万頭生息しています。
スヴァ―ルバルトナカイには天敵はいないのですか?
スヴァ―ルバルトナカイには天敵がいません。飢餓はこの種の個体数を抑制する最も重要な要因です。
スヴァ―ルバルトナカイの7つの事実
・スヴァ―ルバルトナカイは、トナカイの中で最も小さな亜種です。
・トナカイの体重は季節によって大きく変化します。春には平均65kg、秋には90kgに成長します。
・スヴァ―ルバルトナカイの毛は、冬になると色が薄くなります。
・雄のトナカイは4月から7月にかけて角が生え、夏の終わりにはビロードの覆いを脱ぎ捨てます。その後、冬の初めに角を失います。。一方、メスのトナカイは6月から角が生え始め、1年間角が生え続けます。
・スヴァ―ルバルトナカイは、スヴァ―ルバル諸島に生息する唯一のトナカイです。
・1900年代初頭には絶滅寸前まで追い込まれたトナカイですが、熱心な回復計画によって再繁殖しています。
・出生率は、前シーズンの冬の厳しさによって、年によって大きく変動します。スヴァールバル諸島のトナカイの出生率 (妊娠するメスの数) は、10%から90%です。
【北極旅行/オーシャンワイド北極の手引き】
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