クジラドリ類(Prion)
名称:クジラドリ Prion, Whalebirds(Pachyptila or Halobaena)
体長:20~30cm
体重:120~250g 種による
生息域:南極と亜南極の島々
保全状況:低危険種(Least Concern)
食性:甲殻類、魚類、動物プランクトン(種によって異なる)。
外見:背面は青灰色、翼と尾は黒、下面は白、目の下に黒斑、額も黒、嘴は黒。嘴の形は種によって異なる。鳩のような形をしている。
クジラドリはどのように餌を食べるのですか?
これは種によって異なります。すべての種が海洋生物を餌としており、甲殻類や小魚を捕食します。ただし、3種のクジラドリは嘴に鯨のヒゲのような薄板があり、動物プランクトンを漉し取ります。クジラドリは、水面をかすめながら嘴(くちばし)を動かし、獲物を捕らえます。
クジラドリは社会的か?
クジラドリは、コロニーで巣を作り、大きな群れで餌をとります。
クジラドリの飛行速度は?
これは、個々の種によって異なります。例えば、ナンキョククジラドリは時速35km程度で飛行します。
クジラドリの出産の儀式はどのようなものですか?
習性は個体によって異なります。繁殖期は8月上旬頃から始まります。ほとんどのクジラドリは巣穴を作り、そこで繁殖します。両親ともに巣作りを手伝い、1つの卵を約50日間かけて孵化させます。その後、さらに50日間、孵化した子供の世話をします。
クジラドリの寿命は?
クジラドリの寿命は約15〜20年です。
現在、クジラドリは何羽いるのですか?
クジラドリの個体数の内訳は以下の通りです。
和名 | 英語名 | 数 |
アオミズナギドリ | Blue Petrel | 300万羽 |
ヒメクジラドリ | Fairy Prion | 500万羽 |
ハシボソクジラドリ | Slender-billed Prion | 700万羽 |
ハシブトクジラドリ | Fulmar Prion | 15万から30万羽の間 |
ヒロハシクジラドリ | Broad-billed Prion | 1,500万羽 |
ナンキョククジラドリ | Antarctic Prion | 5,000万羽 |
チュウヒロハシクジラドリ | Salvin’s Prion | 1,200万羽 |
※全世界の繁殖数は、約9,230万羽です。
クジラドリには天敵がいるのですか?
クジラドリの卵と子どもは、場所によっては、トウゾクカモメ、ネコ、ネズミの餌食になる事があります。
クジラドリに関する7つの事実
・プリオンの名前は、ギリシャ語で「のこぎり」を意味するpriōnに由来し、プリオンの嘴の鋸歯(きょし)にちなんでいます。
・「クジラドリ」とは、プロセラリ科に属する4つのグループのうちの1つを指します。
クジラドリには、ハロベナ属とパキプティラ属の2種があります。この2属には以下の種が含まれます。
1. Halobaena(ハロベナ属)
Halobaena caerulea, Blue Petrel, アオミズナギドリ
2. Pachyptila(パキプティラ属)
Pachyptila turtur, Fairy Prion, ヒメクジラドリ
Pachyptila belcheri, Slender-billed Prion, ハシボソクジラドリ
Pachyptila crassirostris, Fulmar Prion, ハシブトクジラドリ
Pachyptila vittata, Broad-billed Prion, ヒロハシクジラドリ
Pachyptila desolata, Antarctic Prion, ナンキョククジラドリ
Pachyptila salvini, Salvin’s Prion, チュウヒロハシクジラドリ
・嘴の広いクジラドリは、ウミツバメの中で唯一、扁平で薄板のある嘴を持つ例です。
・Pachyptilaは、ギリシャ語で「頑丈な」を意味するpakhusと「羽」を意味するptilonに由来しています。
・クジラドリは、他の海鳥と同様に、栄養豊富な油を胃の中の「プロベンチクル」と呼ばれる部分に蓄えています。この悪臭を放つ油は、捕食者に対して防御的に噴射したり、長い飛行中に自分たちの餌として使用したり、子供に食べさせるために使用したりすることができます。
・また、他の多くの海鳥と同様に、クジラドリにも塩分を含んだ溶液を排泄する腺があります。これは、海から餌をとるときに飲み込んだ過剰な塩分を排出するためのものです。
・海上のクジラドリの群れは、クジラが近くにいる証拠となることがあります。クジラは魚を水面に追い出し、クジラドリが昼食をとりやすくします。
【南極旅行/オーシャンワイド南極の手引き】
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