アシナガウミツバメ(Wilson’s Storm Petrel)
嵐に強い海鳥は、南極で繁殖する最小の温帯性生物で、波の谷間を飛行することで最も激しい暴風雨を回避します。
名称:アシナガウミツバメ/Wilson’s Storm Petrel, Wilson’s Petrel (Oceanites oceanicus)
体長:16~18.5cm
体重:40g
生息域:南半球全域、北半球の一部地域(夏期)
保全状況:低危険種(Least Concern)
食性:プランクトン、魚、オキアミ
外見:胸や肩と尾の間に白い帯があり、灰色から黒に近い色をしています。翼は短く、丸みを帯びています。
アシナガウミツバメは、どうやって餌をとるの?
アシナガウミツバメは、水面すれすれにホバリングして、水中のプランクトンをついばむことができます。水中のある場所に足が入り(おそらく獲物を誘うため)、獲物をくわえて、少し離れた新しい場所に羽ばたきます。また、小魚を捕らえるために稀に潜水することもあります。
アシナガウミツバメの出産儀式はどのようなものなのでしょうか?
アシナガウミツバメは4歳前後で性的に成熟します。営巣は11月から5月にかけて行われますが、正確な開始時期は鳥がいる場所によって多少異なります。コロニーは海の近くにあります。巣は岩の隙間や土の中に作られます。白い卵を1つ産みます。
成鳥はカモメやカモメなどの捕食鳥に見つからないよう、夜間にだけ餌を探しに行きます。巣は暗闇の中で匂いを頼りに見つけます。約2か月半間、親鳥が交代で卵を孵化させ、孵化したヒナに餌を与えます。雛(ヒナ)は、約2か月間抱かれます。
孵化から50日〜100日で巣立ちを迎えますが、その時期は育児期間中の餌の量に左右されるようです。
アシナガウミツバメの寿命は?
アシナガウミツバメは、野生では20年も生きることができます。
アシナガウミツバメは現在何羽いるのでしょうか?
アシナガウミツバメの世界的な個体数は3000万羽以上と推定されています。
アシナガウミツバメには天敵はいないのですか?
アシナガウミツバメの幼鳥と卵は、オオトウゾクカモメ、カモメ、フクロウ、ハヤブサなどに捕食される事があります。また、成鳥でも、小さいので、ハヤブサに捕食されることもあります。
アシナガウミツバメの7つの事実
・アシナガウミツバメは、世界で最も数の多い鳥のひとつです。
・この鳥の名前は、”アメリカ鳥類学の父 “と呼ばれるスコットランド系アメリカ人の博物学者、アレクサンダー・ウィルソンにちなんで付けられた。
・この鳥の名前の「嵐」は、この鳥の群れが出現することが嵐の到来を予兆しているという考え方に由来しています。
・アシナガウミツバメは、南極で繁殖する最も小さな温血動物です。
・海上の嵐のとき、アシナガウミツバメは波の谷を飛んで、何らかの隠れ場所を確保します。
・メスはオスより大きいです。
・アシナガウミツバメの名は聖ペテロにちなんでおり、ホバリングする姿が水の上を歩いているように見えることから付けられました。
【南極旅行/オーシャンワイド南極の手引き】
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