ドリガルスキー氷舌(Drygalski Ice Tongue)
南極のマンモス氷河の巨大な広がり。
デイビッド氷河からドリガルスキー氷舌へ
ドリガルスキー氷舌(Drygalski Ice Tongue)は、その大きさからも、発音しにくい名前であることは間違いないでしょう。全長70km、幅14kmから24kmの氷の塊が、ロス海の氷に覆われた海面に、まるで長い年月を経て死んだ竜の巨大な舌のように広がっています。
ビクトリアランドで最も巨大な氷塊のひとつであるデイビッド氷河を起源とするドリガルスキー氷舌は、ロス島の北約240km、スコット海岸と交差するマクマード・サウンドの北方海域に位置しています。
ドリガルスキー氷舌の歴史的なルーツ
ロバート・ファルコン・スコット隊長は、1902年1月にこの氷舌を発見し、当時同じく南極を探検していたスコットの知り合いのドイツ人教授エーリッヒ・フォン・ドリガルスキーにちなんでこの氷舌に名づけました。
これはスコットが1901年から1904年にかけて行った英国南極探検隊、通称ディスカバリー探検隊でのことで、60年前にジェームズ・クラーク・ロスが南極を探検して以来の英国の探検航海でした。ドリガルスキーの氷舌は、初めて海図に記載された時点で、すでに約4,000年前に形成されたものだと考えられていました。
ドリガルスキー氷舌の新情報
2005年3月から4月にかけて、3,000平方キロメートルの巨大な氷山B-15Aがドリガルスキー氷舌に衝突し、表面積約70平方キロの2つの破片に分断されました。B-15Aは、2000年にロス棚から崩落したさらに大きなB-15氷山の破片でした。
その後、2006年にロス棚からやってきたC-16という別の氷山もドリガルスキー氷舌に衝突し、100平方キロメートル以上の破片が生まれました。オーシャンワイド社のロス海探検クルーズでは、ドリガルスキー氷舌を見ることができ、その中にはヘリコプターでのツアーも含まれています。
【南極旅行/オーシャンワイド南極の手引き】
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