- みんなの南極旅行
初めての南極旅行①(出発準備編)~南極の気温や服装、持ち物の準備~
今まで、海外旅行では、わりといろいろな国を見てまいりましたが、南極旅行には行ったことがありませんでした。家にある地球儀でも、日本やアメリカを探すことはあっても、南極は一度も指さしたことがありませんでした。
もっとも地球儀では、南極の位置は一番下になるので、わざわざひっくり返して見るということがありませんでした。恥ずかしながら、南極大陸の形を書けませんでした。
私は、「南極」というと、ただ漠然と氷の山と黒色と白色のペンギンしか頭に浮かびませんでした。今でこそペンギンは18種類と分かりましたが、それまでは、せいぜい2~3種類だと思っていました。
今まで、映画などで見る南極は、大きな氷山や吹雪のシーンが多く、南極旅行はかなり危険なのではないかと思っていました。
南極旅行を1か月後に控えた私は、本やインターネットで様々な情報を収集し、にわか知識をつけました。でも、ほかの国の旅行と違って、まったくと言っていいほどイメージが湧きませんでした。
南米大陸のアルゼンチンまで飛行機で行き、そこから耐氷船で南極半島を目指すということが分かりました。南極半島の気温は、プラスマイナス5度くらいということで、私のイメージしていた凍えるほどの壮絶な南極旅行ではないということがだんだんと分かってきました。
ある日私は、南極旅行の準備の為、アウトドア用品店に、防寒上着や防水性のズボン、手袋などを見に行きました。店員に「どちらでご利用になるんですか?」聞かれ、ちょっと照れながら「南極なんです。」と答えました。
店員は、「南極ですか?すごいところに行くんですね。」と驚いていました。南極クルーズに行ったことのある友人にいろいろと助言をもらい、ヒートテックの下着も多めに用意し、薬屋では日焼け止めクリームを買いました。また、足の裏に貼る使い捨てカイロも準備しました。
数日後、せっかく南極旅行に行くのだから、いい写真も撮りたくなり、カメラも新しいものを買いました。いろいろと準備をしているうちになんだか南極旅行へ行くのがとても楽しくなりました。
自宅で、自分の部屋に南極旅行グッズを並べていましたが、子供たちが「パパ、どこに行くの?」「なにこの帽子?」などと興味津々で、グッズをいじりはじめました。耳当て付の帽子をかぶったり、手袋をはめたりして、せっかくきれいに準備したものがぐちゃぐちゃになってしまいました。
出発日前日、小学生になる私の子供は、真面目な顔して、私にこう言いました。「パパ、生きて帰ってきてね。」と。ドキッとする一言でした。
心配性な私は、成田空港へ行く電車の中で、いろいろなことを考えてしまいました。ドレーク海峡の荒波に船が揺れ転覆したらどうしようかとか、南極で氷に阻まれて動けなくなったらどうしようか、など。。
我が子との抱擁から3日目、アルゼンチン最南端の町ウシュアイアの港で、私たちの乗船する耐氷船「シー・アドベンチャラー」と対面しました。
私は、その姿に見とれてしまい、思わず声を出してしまいました。何ともりっぱで、何とも逞しい顔をしていました。今までの不安が一気に吹き飛びました。
「早く行きたい」と思った瞬間でした。