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【スタッフレポート】2023年11月南極探検クルーズ 南極半島観光編
今日の日程は、午前:ミケルセンハーバーの上陸&ゾディアッククルーズ。午後:シェルヴァコーヴのゾディアッククルーズです。
朝食とり、いざ船外活動へ!この11月のミケルセンハーバー上陸地は、新雪が残る白銀の雪を踏みしめての上陸活動になりました。島の丘の頂点まで緩やかな登りになっており、島からはあたり一面雪が積もる南極大陸とその山々に囲まれ、海には氷山が多く浮かび素晴らしい南極の風景を一望することができました。
そしてなにより、海から上がってくる数百のゼンツーペンギンが丘を登ったり、下ったりとそこら中ペンギンたちが活動しています。この時期は、まだ子育て前ですが、雪を滑ったり、ぼーっと立ちすくんでいたり、かわいい姿に魅了されます。
また上陸ポイントのビーチには、ウェッデルアザラシが日向ぼっこして、寝ていました。時折むくっと起きて、私たち訪問者のことをちらっと見ています。この大自然に生きる動物たちとの出会いと南極の壮大な風景に囲まれて感動は初日から絶頂です。
上陸観光を満喫していると、ゾディアッククルーズを先にしていたグループと交代し、今度はゾディアッククルーズで、ミケルセンハーバーの周囲をゾディアック探検です!
海からも周りで泳いでいるペンギンたちを観察できたり、ブルーに輝く氷山を目の前で見たりできます。
私のボートでは、細かい(大型車)くらいの氷山がゴロゴロある海域を縫うようにクルーズして探検します。その後、近くでザトウクジラが出現!クジラたちを追うようにボートはさらに開けた海域へと探検していき、ホエールウォッチングも満喫です!
午前の船外活動(約2時間)を終え昼頃に船内にもどると温かいランチが用意されています。
この間客船は、午後の観光ポイントへ移動します。
しかし南極半島の天気は数珠繋ぎのように変化します。午前とは一変強風が吹く厳しい南極の姿に変わりました。そのため午後の船外活動は中断。船内ではアフタヌーンティースイーツとのんびりする時間ができました。午前の観光の話で盛り上がったり、デッキで動物観察を続ける方、少し疲れたからお部屋で昼寝をとる方、過ごし方は様々です。
また午後には、今朝出会ったばかりの南極のアザラシたちについて、海洋哺乳類の専門家スタッフが講座を実施いたしました。
QUARK社の南極旅行では、毎日が冒険です。今日も広大な南極半島で午前と午後それぞれ違うポイントで観光活動が行われます。
午前、朝食後ニコハーバーでの船外活動開始。ゾディアッククルーズで湾内や沿岸を探検していきます。小さい島にはウェッデルアザラシや今回初対面のナンキョクオットセイたちを発見。ボート越しに間近で彼らの息の音を感じ取れました。周りの景色は本当に美しく雪をかぶった山々やその崖に囲まれています。またビルのような巨大な氷山を目の前に興奮のゾディアック体験を満喫です。
昼食に本船へ帰還し、別の観光ポイントへ移動します。その時右から、左からと何度もクジラたちに出くわしました。最も乗客やスタッフが興奮してデッキに集まった時は、シャチの出現でした!
午後、順調に次のポイント、クーバービル島へ到着です。
上陸予定でしたが風が吹き大雪と荒天したため、安全のために上陸活動は中止。それでも大雪の中ゾディアック探検へ出発です。フードをかぶると皆真っ白に雪が積もるなか、断崖絶壁が目の前に迫るところをゆっくりゾディアックを進めていきます。途中ペンギンの群れや綺麗な青い目をするキバナウとも遭遇。
本船が見えなくなるほど奥地へ進み、エクスペディションスタッフはボートを停止し、エンジンを切ります。すると、しんしんと雪が降る世界の中で静寂を感じる真の南極世界を満喫。
私の隣に座っていたお客様は、「ここはまるで違う惑星に来たかのようだ」とも言って同じボートの仲間同士で南極世界に浸ることができました。
私たちは快適なクルーズ旅ですが、すぐ目の前の世界は人が生きていくことも難しい世界がある。そんな恐怖と美しさが入り混じる感覚にさせられる思いです。
今日は午前ダンコ島、午後はパラダイスハーバーの予定です。
予定通り、朝食後にダンコ島の探検がスタートします。エクスペディションチームは、ダンコ島の上陸を試みたのですが、下見チームが確認し、上陸ポイントの海岸に大きな氷山がゴロゴロ座礁して、アクセスできない環境下のため、上陸は中止。ダンコ島の周りをゾディアックで探検することになりました。
しかしまたこのゾディアックが興奮の連続。先ず、ダンコ島に多くのペンギンたちが続々と上陸している様子が海から見えます。遠くからみるとまるでアリの大群の様です。お客様が日本にいる妹へその写真を送ったら、「キモッ」って感想が来たと言うほど、ペンギンの大群がダンコ島に集結していました。そしてその近くの海面にはゾディアックを進めないほど囲むようにペンギンたちが泳いでいます。何度も来ている私クルーズライフスタッフもこんな状態は初めて見て驚きました。
ゾディアックは氷山が多くある場所へゾ進めていきます。すると今後は氷の上で寝そべるヒョウアザラシと対面です。その大きな体と肉食の強靭なアゴを持つ大きな顔は、まるで蛇?ワニ?のような迫力も持っています。
約2時間のゾディアック探検を終え客船に戻りランチを取ります。
午後の観光ポイントは、いよいよ南極大陸本土のパラダイスハーバーです!
上陸ポイントには、アルゼンチンのブラウン基地があります。この基地の周りでも既にゼンツーペンギンがお出迎え。近距離でペンギンたちが観察できます。振り向けばすぐ後ろに来ていたりと、彼らの道を通せんぼしてはいけない事やペンギンたちの邪魔にならないように人間は観光しなければなりません。それでもペンギンの可愛さには、強面の大男もメロメロにさせるほどです。
パラダイスハーバーでは、南極大陸本土の上陸も祝います。そして斜面を上がっていくと崩落間近な氷河や南極で最も美しい風景と言われる景色も望むことができます。
上陸活動の後はゾディアッククルーズへ出発です。
南極大陸本土の絶壁が聳える沿岸に沿って行くと絶壁に緑色をした成分が見えますこれ銅の様です。地質学の話をしながらこの絶壁にはキバナウが営巣し子育てや海面へダイブして捕食をしている姿を観察できました。
また氷河の崩落から生み出された氷山の世界へ。そして波一つない静かな湾内でのゾディアックと毎日のゾディアッククルーズは飽きる暇もないほどの感動です。
午後の観光後は、アフタヌーンティーでゆっくり過ごしていると「ポーラープランジ」開催の船内放送がかかりました。部屋に戻って水着に着替え、南極の海へ飛び込み大会です。
長蛇の列ができ、おそらく全体の7-8割の乗客が海へ飛び込みイベントと記念撮影を楽しみました。
南極観光最終日です。天気予報ではストームが近づいてきているとのことですが、南極半島の海域は静けさの中、夜の間に次の観光ポイントへ移動しています。客船は、北上しサウスシェトランド諸島へ到着です。
午前、最初の観光ポイントは火山島デセプション島です。カルデラのこの島は湾内を囲むようにリングのような形をしています。本船はネプチューンベローと呼ばれる場所の狭い入口を通り、湾内と入っていきます。保護された湾内ですが今回ストームの影響もあり船外活動は出来ませんでした。それでもこのデセプション島に来た意味は十分にあります。船長はこの難しい狭い島の出入りに航海術の腕をならせます。デッキにあつまり絶壁せまるネプチューンベローや湾内では昔の捕鯨基地の跡などが見ることができます。
昼食の間、午後の観光ポインである同じトサウスシェトランド諸島のハーフムーン島へ航行していきます。名前の通り三日月のような形をした島で、ここにはヒゲペンギンの営巣地があることで知られています。残念ながら天候が回復せず、ものすごい強風でゾディアックを出動することが困難な状況でした。それでも本船からは氷山の上で休んでいるヒゲペンギンたちを観察できました。
朝から伝えられていたストームの影響を見越して船長とエクスペディションリーダーは、ハーフムーン島、そして南極に別れを告げて、帰路ドレーク海峡方面と進路をとることを決意。
最終日は船外活動ができませんでしたが、それでも半日早く到着と3日間のフル稼働した観光、雪や風という南極の厳しい洗礼も体験してきたこの航海では、乗客のみな充実感あふれる旅ができました。
帰りの終日航海では、アクティブに活動した南極観光の疲れから、船内ではのんびり過ごします。各項目でも南極講座が実施されさらに動物や歴史、雪氷学、また写真編集についてなどのプレゼンテーションを行いました。
夕食前には、エクスペディションチーム、お客様全員で「南極の旅へ乾杯」そしてオークションイベントも開催され、船内でも飽きることなく様々なイベントが開催されます。
帰りのドレーク海峡は、嵐から避けるように航海し、昨晩は大きな揺れが数時間続いていました。
それでも航海は順調に進み、午後には南米大陸近くまで到達し、揺れもおさまり、空気も南極のキリっとした寒さから、なんだか暖かく感じてきます。
この日も船内では、日中、興味深い南極講座が開催。乗客の皆さん講座を聞きに行ったり、ショップで買い物、バーでお酒、仲間とおしゃべり、写真の整理などそれぞれの過ごし方でゆっくりウシュアイアまでの航海を楽しみます。
夕方、最後のリキャップでは明日の下船手順の説明などを案内。またフェアウェルカクテルパーティでスタッフやお客様同士のお別れ会が行われました。
夜には、バーラウンジで音楽をかけ盛大なパーティーも♪
朝、船内で朝食をとり、スタッフや旅の仲間たちと最後の別れを告げて下船します。
下船後は、QUARK社提供の団体バスで、「空港行グループ」「ウシュアイア町中行グループ」に分かれて下船していきます。
ウシュアイア空港には9時半頃に到着。そのままアルゼンチン航空のチェックインへ向かいます。
(注)タイミングによっては、チェックインやセキュリティ通過に長蛇の列ができ時間がかかる場合がありますので、航空手配は時間に余裕をもって午後便以降が推奨されています。
<まとめ>
11月の南極探検クルーズは、何といっても雪景色が素晴らしいです。グレーの空と白、青く煌びやかな氷山のコントラストは、吸い込まれるほどの美しさです。またどこの上陸地点も新雪で雪と氷に覆われた「これぞ南極!」といった風景の中旅行ができます。
またペンギンたちが、泥だらけでなく、綺麗な体で写真撮影ができるのも良かったです。
11月はシーズン初めでリーズナブルな旅行代金になっていますので、ペンギンの雛にこだわらなければ、十分な南極旅行がお楽しみいただけるそんな時期です。
著者・画像:クルーズライフ岩浅