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【スタッフレポート】2020年1月南極旅行
2年ぶりに南極へ行ってきた。今回が30回目の南極旅行で、2019年8月就航のクォーク社の新造探検客船ワールド・エクスプローラーでの南極旅行だ。
南極は、原始の姿を今に留める地球最後の秘境だ。今回の南極クルーズは、南極半島の北端、アンタークティック・サウンドからピーターマン島に至るバラエティに富んだ旅程で、天候にも恵まれ素晴らしい南極を体験することができた。
上陸地には、小規模のヒゲペンギンの営巣地があった。ヒゲペンギンに混じって1羽のマカロニペンギンがいた。とても珍しい光景だ。
指定された範囲内で島を散策、その後本船に戻った。
氷山などを見学しながら約1時間のゾディアッククルージングを楽しんだ後、今度は上陸しての観光だ。ブランブラフは、南極大陸本島に位置しているので、南極大陸初上陸を果たした。ここには、約3万羽ものアデリーペンギンが営巣しているため、とても賑やかだ。海に餌を捕りに行くアデリーペンギン達は隊列をなして行動し、数百羽が一斉に海に飛び込む様は、とても壮観だ。
営巣地の見学などの約1時間30分程上陸観光を楽しみ、本船に戻り昼食をとった。
午後には、アデリーペンギンの巨大営巣地として知られるポーレット島に到着。ここには、10万羽以上ものアデリーペンギンが営巣している。まずゾディアッククルージングで島を一周する。海には、多くのアデリーペンギンが泳いでいるのを見る事が出来る。氷山には、多くのアデリーペンギンが乗って休んでいる。
その後、ポーレット島に上陸。いたるところ、アデリーペンギンが繁殖しているため、足の踏み場もないほどである。
島の中腹には、約100年前、スウェーデンのノルデンショルド探検隊が越冬した際の石を積み重ねて建てた小さな小屋の残骸が残っている。
島の頂上付近からカルデラ湖が見えるが、その一帯もアデリーペンギンの営巣地が広がっている。約1時間30分の見学を終えて本船に戻った。
ゾディアックボートのエンジンを止めて、氷河を眺めながら暫し静寂に浸る。轟音と共に氷河の崩落を2度も見学。
南極の神秘を感じる事が出来た。その後、ミナミオオセグロカモメやナンキョクアジサシの繁殖地をボートから見学。
可愛い雛が親鳥の側に見える。シェルバ・コーブには、アルゼンチンの南極観測基地があり、基地周辺にはゼンツーペンギンの小規模営巣地が広がっている。ゼンツーペンギンが険しい坂を通って営巣地と海を往復している。氷山の上には、獰猛なヒョウアザラシが横たわっている。
約1時間45分程、ゾディアッククルージングを堪能する事が出来た。
午後4時30分、クジラがよく見られるウィルヘルミナ湾のゾディアッククルージングに出発。まず、ウィルヘルミナ湾北部のフォイン・ハーバーで、1915年1月27日、捕鯨母船に貯蔵していた鯨油に火が付き、大火災を起こしたガバナー号を見学。浅瀬に座礁したガバナー号は、現在アジサシの繁殖地となっている。
その後、ウィルヘルミナ湾でホエールウォッチングを開始。沢山のクジラが見える。4頭、5頭の群れで沢山泳いでいる。まるでクジラ祭りの様だ。約1時間30分程、感動のホエールウォッチングを満喫して本船に戻った。
氷山の上のカニクイアザラシやヒョウアザラシを見学しながら約1時間のゾディアッククルージングを楽しんだ後、ネコハーバーに上陸。海岸近くのゼンツーペンギンの営巣地を見学。未だ卵を抱いているペンギンが多い。
殆ど雛を見かけない。小高い丘に向かって進むとペンギンの通り道、ペンギンハイウェイがいくつも伸びている。
ペンギンの通り道を遮らないように注意して歩く。丘の上にもゼンツーペンギンの営巣地が広がっている。殆どの親鳥は、卵を抱いている。
午後から天気が回復し、青空が広がった。午後4時30分、メルキオール諸島に到着。ゾディアッククルージングを開始。メルキオール諸島の迷路のような水路を航行したり、アジサシの営巣地がある水路を航行したり、ウェッデルアザラシを4頭見学したり、
プライベートヨットで南極に旅行している人に出会ったりして、
素晴らしい天候の中、約1時間30分程のゾディアッククルージングを楽しんだ。本船に戻って、午後6時から氷山の浮かぶ南極海での飛び込み大会が行われ大いに盛り上がった。
ここは、博物館兼郵便局、売店を兼ねている。建物の周囲には、ゼンツーペンギンの営巣地が広がっている。建物の中には、一度に30名しか入れないため、順番待ちをしながら屋外で待った。中に入ってから博物館を見学、ダイニングルームや寝室、作業所などが狭い空間にびっしりと埋まっている。その後、売店で地図を買い求めたが、Tシャツや帽子、ペンなど色々なお土産が売られていた。
ポートロックロイを見学した後、背後にウィンケ島の雄大なセブンシスターズ峰々が聳えるジュグラー岬のゼンツーペンギンの営巣地を訪れた。
ゼンツーペンギンに混じってキバナウの親子も見える。
素晴らしい天気で、絵のような風景が広がっている。1時間程、ゼンツーペンギンの営巣地を見学してから本船に戻った。
午後2時、ルメール海峡の入り口を背景に乗客全員で記念撮影を行った。その後、南極半島で最も風光明媚な場所として知られる狭いルメール海峡の通航を楽しんだ。青空が広がり最高の天気だ。
午後は、今回の旅行の最終目的地、ピーターマン島に到着。
素晴らしい風景が広がる中、ゼンツーペンギン、アデリーペンギン、キバナウなどの営巣地を見学して本船に戻った。
午後7時、明るい陽射しの中、本船のプールサイドで南極の壮大な風景を眺めながらバーベキューの夕食を楽しんだ。この時期の日没は23時頃で、深夜になっても空は暗闇ではなく、薄明かりの状態だ。午前3時には、もうすでに明るくなっている。
夕食を終えた後、本船は南米最南端のウシュアイアに向けて2日間、ドレーク海峡を航行し、2月20日(月)午前7時、ウシュアイアに入港で、南極の旅が終了となった。
この時期、南極は夏の季節にあたるため、南極半島の気温は-3度~+3度位で推移するため、快適な気候で旅行する事ができる。南極旅行で最も注意する事は、服装と装備、そして紫外線から肌を護る事だ。
服装では、特にゾディアックボートでクルージングをするため、防水性のズボンが必需品となる。
ただし、南極の天候は牙をむく時があるので、しっかりと防寒対策をする必要がある。
南極旅行は、人間の住んでいない場所への旅行だ。そこには、手付かずの原始の世界が広がっている。その素晴らしい世界を後世に伝えるため、厳しいルールもある。しかし、それを守って行動する事によって素晴らしい南極の旅を体験する事ができる。
生涯に一度は、是非南極を訪れ、太古の地球の姿を味わっていただければと思う。