南極・北極旅行&クルーズ 株式会社クルーズライフ

みんなの探検旅行~ブログ~
2019.01.22

南極へ行ってきました【お客様体験談】

12月末の南極旅行にご参加頂きました愛知県在住の加藤富子様より旅行のご感想や、紀行文をお送り頂きましたのでご紹介いたします。ぜひご参考ください!

 

 

南極へ行っておりました 加藤富子です

15日間の旅を終えて 昨夜何の病気もなく帰国できました

空港間の移動も孫の感でスムースに行き 待つ時間の長いだけが難でしたが 船の食事の美味しさ キャビンの豪華さ 扱いの良さで全て満足しました

おたくの会社(クルーズライフ)の旅を申し込んでよかったです

日本人は110人お客の中 東京からの50歳の女性一人と3人だけでした

ありがとうございました

 

  

  

  

 

以下、後日お送り頂いた紀行文です。

 

南極をゆく

加藤富子

10年前にカナダ北極圏のサマーセット・アイランドへ旅した時に、25名の日本からの仲間のうちなんと7名が南極へ行っていたことを知りました。地球の一方の極へ旅すると、人は心理的に両方の極を極めたいものらしいとその時に知りました。

 

7年前にもまた北の果てスヴァールバル諸島をクルーズして北緯81度まで行きました。あと1,000キロで北極点ですが北極点は氷の上にあってなんの変哲も無いのでわざわざ行くまでもないと思っていました。北極も南極も氷河と雪だけの世界に相違ないと信じていました。そのため行こうという気がしなかったのです。

 

しかしこの数年80カ国ほどを旅していて、やはり一度は南極へ行ってみなくてはという変な使命感を感じ始めました。それに英会話を習い始めたのでそれを使ってみたいこともあって、今回は思い切って南極航路出発点での現地集合・現地解散の旅に申し込みしました。一人だけでゆくには流石に躊躇していたら、ちょうどお正月出発のものが見つかり、日常会話なら英語がほぼ可能な17歳の孫息子が同行してくれることになりました。177cm、75kgのこれまた体力的にも屈強な男の子なのでこれ以上の同行者はいないと確信しました。

 

さて、年末の2018.12.27から成田→アメリカのダラス→ブエノスアイレス→ウシュアイアと南米大陸の最果てまで二人で丸2日かけて到着です。ここでホテルへ1泊して2018.12.28の午後4時(時差の関係で丸2日かけたのにまだ28日です)南極航路の耐氷探検船アイランド・スカイ号に乗り込みました。

 

4,200トン、全長90m、定員114名、乗組員75名の小型耐氷船です。製造は1992年と25年以上前ですが2015年に改装したものでした。揺れは少ないけれど大型船は桟橋など全くない南極では陸へ近付くのが不便なため小型船がお薦めなのです。

同じ小型の北極クルーズではせいぜいビジネスホテル並みのキャビンでした。今度も似たようなものと思っていました。ところが時代の変化か料金の違いか、とにかく乗ってみるとその華麗な内装に驚きました。タヒチでポール・ゴーギャン号に数日乗ったことがありそのエレガントさに大喜びした経験があります。それとほぼ同じ内装と間取りになっていて、これぞ海の五つ星ホテルでした。ここで屈強な孫と12日間の南極航路とは期待が膨らみました。

 

船には世界各国からの乗客が満室の114人。日本人は我々2人を加えて東京からの50歳の女性一人、それとウルグァイ駐在の男性一人、合計4人だけです。ウルグァイ駐在の方は3年以上駐在ですからまあ日本からの旅行者は3人だけでした。船内は全部英語です。北米アメリカ、カナダからが多いのですがイギリス、スエーデン、オーストラリアなど、それに中国からも10名近くが来ていました。

 

乗船して1時間後すぐにシャンパン、ジュースとキャビアやフォアグラの乗ったカナッペで船長によるウエルカムパーティーです。そして船室でスーツケースの荷ほどきと自室TV画面でスケジュール確認。間も無く午後7時ディナーです。

耐氷船だけあってドレスコードなし。みんなノーネクタイです。しかし食事は正式なフランス料理。フィリピン人ウエイターがメニューを各自に配った後、礼儀正しく前菜、スープ、メインの選択を聞きに来ました。ワインも白、赤の銘柄説明をした後に好みのものを注いでくれます。ディナーの飲み物はすべてフリー。気楽に飲めます。デザートの時にまたメニューを持ってくるので選択です。こういうディナーは初日だからと思っていましたが、その後も12日間毎晩で、もちろんメニューは変わっていました。おかげでフランス料理はもうしばらくやめにしたい気分です。

 

朝昼はブッフェ式ですが、特設コーナーで目の前で作ってくれるオムレツや昼の一品があります。特に昼はパスタ、ラーメン、タコス、ピザ、焼きそばなど日替わりで作ってくれます。二人のシェフで作るのですが行列です。

 

さて航海と上陸のことです。出発港ウシュアイアを出てビーグル水道、そしてすぐに魔のドレーク海峡です。南米大陸と南極大陸に挟まれた巾1,000kmのこのドレーク海峡は、風が強く海流が早くて船の大揺れが1年のうち7割はあるという難所です。48時間かけて横切ります。往きの2日間は割に凪いでいましたが、それでも屈強なのに孫息子は悪心があるとベッドに寝転んだままで、りんごとバナナだけの朝、そして昼はダイニングに出かけたものの、いつもの4割くらい食べて再びベッドへ戻って寝転んでいました。私は平気で3食とも大いに楽しみました。

 

甲板では南極の海の鳥類観察会が開かれて、双眼鏡や大望遠のカメラで写して、鳥類担当の研究者に質問です。Albatross(アホウドリ)、Petrel(ミズナギドリ)、Gull(カモメ)などその中の細かな種類の見分け方を教えてくれます。風が冷たくてドレーク海峡の気温は5度でしたが船提供の赤いExpedition Jacketを着ていても寒いこと!荒波に揺れながらの30分でした。おかげで航海中に鳥の見分けはほぼ出来るようになりました。

まる2日後、揺れが少なくなる頃に最初の氷山が現れてきました。

船内放送でIcebergという単語が耳に入ったので、すぐに外を見て気がついたのです。高さ100mはあるかと思うほど巨大なものが遠くに見えました。ここで南極のスケールの大きさにまず圧倒されました。かって北太平洋ではタイタニック号が真夜中にあれにぶつかって沈んだのがすぐに理解できました。

 

船内放送は朝には当日午前の、昼には午後の、夕方にはその夜のスケジュールが英語で放送されます。航行中、窓外に何か見えるとすぐに放送が入ります。この夜は鯨が来ていて、さらにはシャチも来ているなどの放送が入りました。その都度、風防の赤いJacketを着てカメラを持って甲板へ飛び出します。深夜2時になっても字が読めるほど明るい白夜なので、動物の写真も写せます。

 

ドレーク海峡を渡る2日間は船内ラウンジでLectureがあります。SlideやVideoを使って鳥、鯨など動物のこと、大陸についての地理地質のこと、南極探検と歴史などそれぞれの専門家が話してくれます。彼らはずっと最後まで一緒に乗り組んでいるので(中にはNew York大学教授も)専門的な講義をしてくれます。これが私にとって英語力試しの最大項目と期待していたのでしたが、全くダメでした。2割も理解できたかしらというところです。食事時の会話はまあまあの点数でしょうが、講義には参ったというところです。考えて見れば大学で講義を受けているのと同じですから英語のLectureを理解できると思っていた自分の方がおかしいです。映像を見ているから単語の一端を聞いて想像するだけです。全体像は掴めたのでこれで諦めることにしました。

これらの教授や研究者たちはLectureをしてくれる他に、島や大陸に上陸する際にはZodiac Boat(ゾデイアックボート)を操縦し、上陸すると一緒に歩いて説明をしてくれます。114人の客が乗っているアイランド・スカイ号は陸地に近くなると、このゴム製の頑丈なゾデイアックボートに10人ずつ乗って上陸したり、周辺をクルーズして氷山やペンギンに近づきます。

北極へ行った時に知ったのですが、船も研究者も7月には北極で、1月には南極で活躍するのです。毎年夏を追いかけて赤道を横断しての活躍なのです。北極アジサシという鳥も、毎年南北極を横断する世界一長距離を飛ぶ鳥です。残念なことにこの北極アジサシは今回見られませんでしたが、南極アジサシはたくさんいました。姿は似ていて同類なのに南極アジサシはなぜかここに留まっていて北極へは行かないのです。鳥研究者が毎日船内掲示板にどんな鳥が本日見られたかを一覧表で貼ってくれています。それで今回は北極アジサシがいなかったことを知りました。

 

●ペンギン
南極を代表し住人と言えるほどここでは数が多い動物です。北極には北極熊がいて南極にはペンギンがいます。それぞれ一方にはいない動物です。アザラシや鯨、又、ペンギン以外の鳥類は北極南極どちらにもいます。

ペンギンは1月にはちょうど雛が誕生して親の足の上で育っていますのであちこちでよく見られました。灰色の産毛をして親から口移しで餌をもらっています。小さいものはなんでも本当に可愛らしいですね。一番大きい皇帝ペンギンや王様ペンギンは南極大陸の奥地へ行かなければ見られませんが、割に小さい体のジェンツーペンギン、ヒゲペンギン、アデリーペンギンは毎日見られます。浮かんだ氷山にぴょんぴょん乗ったり飛び込んだり、又 じっと並んで立っている姿は本当に愛らしいものです。

 

丘へ登る時にはペンギンハイウエーと称して彼らは決まった道を行き来しています。魚を食べてフンをするのでペンギンハイウエーはピンク色に染まって魚の匂いがプンプンします。又彼らのコロニー(営巣地)ではその匂いがさらに強烈になってとてもそこで長居はできません。ある島には何万羽というペンギンです。遠くから肉眼で見るとまるで伊勢神宮の玉砂利のように白黒の点に見えます。

 

 

●南極大陸
ここへ来るまでその大きさを知りませんでした。なんと大陸はオーストラリアの2倍の面積です。そして陸地の上に積もっている氷(雪)は3,000〜4,000mも厚いのです。そんな氷が海へ押し出されて氷山になるのですから巨大なわけです。北極ではそれほど厚く積もっていないので、南極の氷山や氷河はスケールが大きいわけです。まるで日本アルプスが全土に乗っているほど厚い氷で覆われた大陸です。だからこそ地球温暖化で南極の氷がもし全部溶けたら海水面が6mも上昇するはずです。

 

こんな大きな大陸なのでそこへ行ったら南極点まで行った?などというのはとんでも無いことです。現在ではお金と日にちをかければ一般人が観光のために南極点までゆくことはできますが、南極点とは厚い氷の上に各国の旗が立っているだけのようです。でも私の旅友は2年前に行ってきたと言いました。天候の良い日を狙って南極大陸近くのキングジョージ島から飛行機に乗るのです。悪天候が4日続くともう待機はなしで、その旅はキャンセルされます。南極点には研究者が通年滞在するアムンゼン・スコット基地があります。膨大なお金をかけて南極点に暖房の効いた近代的なビルを合衆国が1957年に建てました。南極の冬、即ち7月でも100人ほどの研究者が滞在しています。

 

南極大陸の各地には各国の観測基地が70箇所もあります。日本の昭和基地は今回我々が行った地域とは違った方角にあって行けません。一般に世界からの観光客は行ける場所が限定されています。基地は南極条約に基づいた地球の環境調査を目的としています。

 
裸姿の写真はデセプション島では活火山の地熱により海岸に湯が湧くのです。この島では海に入るのが旅行の記念となっています。

 

 

●南極条約
1959年に南極に領有権を主張せず、南極地域が平和的目的のために利用されるべく締結されました。日本を含めて53カ国が加盟しています。領有権主張の凍結、軍事利用の禁止、核爆発と放射性廃棄物の処分の禁止などを定めています。そのため現在では捕鯨も禁忌とされ一切の商業的利用は禁止されています。70年前の捕鯨基地廃墟は観光客が見どころとなっています。自然保護のため一切の外来種持ち込みが禁じられて、もちろん排泄行為は禁止でどこにもトイレはなく、ポケットから不用意に紙やビニールの切れ端が落ちるのにも厳重注意です。我々観光客も上陸の際には服の上下をヴァキュームパーティーと称してタネやごみを吸い取ってもらい、その都度靴は洗浄液の中へ浸してからボートに乗り込みます。
北極へはヒッチハイクでもバックパッカーでも単独でゆくことはできます。でも南極へ上陸するためには国へ届け出が必要です。環境保護の問題でどこでも上陸できるわけではありません。

 

●観光と観光客
寒いところというイメージで何もかも寒さ対策のウエアを持って行ったのでした。だがいざ行ってみると風さえなければ日本の冬と同じか、いやもっと暖かかもしれません。南極にいる1週間は毎日気温0〜マイナス1度でした。ある日は風もなく南極晴れの青空で、雪の丘や岩山を登っていると汗だくとなり着込んできたことが悔やまれました。しかし曇ったり風が吹くとそれは寒いこと!全てが日光と風で決まってきます。

 
現在最後の秘境として南極への観光客は世界各國から年間3万人と言われています。絶え間なく毎日観光客が来ることはやがてなんらかの汚染が生まれるかもしれず、そのうちに人数制限ができるのではと言われています。実際に自分で行ってみるとこの最後の秘境を自然のまま厳重に守ってゆきたい思いはさらに強くなりました。

 

 

 

さてご興味がおありかもで、一人分旅行費を載せてみましょう。

1.ウシユアイアからの12日間のクルーズ費用 15,000 US㌦(3食とExpedition Jacketも含んで)

2.日本からウシュアイアへの航空運賃 各自で

3.70歳以上極地保険、クルーズ旅行取り消し特約料等 ¥34,000-

 

ご覧くださってありがとうございました。

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観光庁長官登録旅行業第2054号/一般社団法人日本旅行業協会(JATA)正会員
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