- スタッフレポート
2~3月の南極はクジラ祭り!
2018年2月に6回目の南極へ行ってきました。
過去に11月・12月・1月に行きましたが、今回は初めて2月後半の南極を見てきました。
2~3月はクジラのベストシーズンと言われていますが、期待以上のクジラの出現に全員が大興奮する最高の旅となりました。
ドレーク海峡は多少揺れを感じる時もありましたが全体的には大きな揺れもなく、順調な航海で南極に向かいました。船内では長いフライトの疲れを整え、南極訪問に関する重要なブリーフィング、専門家による南極講座を聞きながら、南極観光の準備をします。南下するにつれ気温も下がり、初めての氷山発見は、南極に近づいてきた実感とこれからの南極観光に期待が高まりました。
ついに南極に到達。ペンギンとの出会いの前に、いきなりザトウクジラが出現しました!
ゾディアックボートでクルージング出かけると、なんと全部で10頭以上のクジラを発見しました。今までこんなにたくさんのクジラに遭遇するのは初めての体験です。やはりベストシーズンというのは納得します。
耐氷船から見るクジラは高い位置から見るため遠方のクジラや上から見下ろすことができますが、ボートから見ると海面すれすれから観察できるので、クジラとの距離が近く迫力が違います。
2頭1組のクジラが海の中を回転しながら効率よくオキアミを食べている様子をあちこちで見ることができました。
静寂な南極では、ボートのエンジンを切ると、クジラのしぶきや潮吹き、泳いでいる生の音が聞こえてきます。今まで体験したことのない興奮の世界です。
クジラの出現は1ヶ所だけでなく、南極滞在中に毎日見ることができ、クジラが出てくるとことが当たり前な感覚になってしまうことに驚きます。
上陸観光では、ペンギンの親子が駆け回っていたり、ヒナたちが集まって保育所のような場所があり、1月に比べ成長した元気なヒナを見ることができました。親ペンギンと同じくらいの大きさまで育ったヒナペンギンは、巣に収まることはできず、陸地のあちこちで寝転んでいたり、ずっと立ったままや歩き回っていました。
好奇心旺盛なヒナペンギンが私たちに近づいてきて、ズボンの裾をつついてきました。全く人間を恐れることなく愛嬌を振りまいていました。
11~1月に比べ陸上の雪がかなり少なくなりペンギンの行動範囲も広がっているため、私たちが見学できる範囲は多少狭くなっていますが、十分に近い距離でペンギンを観察することができます。まるでペンギンの世界に人間が飛び込んでいるような不思議な光景です。
海氷や巨大な氷山は、この時期でもたくさん見ることができました。ボートクルージングで巨大な氷山の近くまで行くと、氷山の大きさに圧倒されます。また、青々と輝く氷山の美しさに魅了されてしまいます。
時々、透き通った氷が浮かんでいることがありますが、氷河から崩れて融けて小さくなった何万年もの昔にさかのぼる神秘的な氷です。
氷が融けて閉じ込められた空気が弾けプチプチと音を立てています。太古の音が聞こえてきます。
クジラやペンギンだけでなく、たくさんのオットセイやアザラシも観察しました。オットセイの表情は非常にかわいく、いつまでも見入ってしまいます。
このカニクイアザラシは、以前シャチに襲われ、なんとか逃げ切ることができたようです。
南極は野生生物の楽園と表現されますが、厳しい動物世界の一面も目の当たりにします。
今回は南極滞在3日間と通常より短いコースでしたが、毎日が新しい充実した内容で、たっぷりと南極を満喫することができました。天候が変わりやすく観光に出られない時もありましたが、エクスペディション・スタッフ達は可能な限り、皆様へ南極を楽しんでもらうために最大限の努力をしていました。
上陸観光やゾディアッククルーズ等の船外活動は、南極を肌で感じることができ、毎回充実した内容です。
いろいろな運航会社が南極クルーズを実施していますが、まず言えることは船外活動がどれだけ充実しているかで南極観光が大きく左右されます。クォーク社は全員が乗れることができるゾディアックボートを搭載していますが、運航会社によってはボートの数が少なく、交代による観光が行われているため観光時間が大幅に少なくなってしまいます。
南極旅行を選ぶにあたり、充実した南極観光ができる運航会社を選ぶことが重要です。
一生の思い出に残る、地球最後の秘境・南極。ぜひ皆様もご参加くださいますよう、心よりお待ちしています。