南極・北極旅行&クルーズ 株式会社クルーズライフ

みんなの探検旅行~ブログ~
2017.09.22

北極点への船旅:スタッフレポート2017

2017年7月31日~8月13日、ロシアのムルマンスクから北緯90度を目指す、北極点への船旅へ参加しました。

1日目:

北極点への船旅、初日。

先ずは、集合地であるフィンランドの首都「ヘルシンキ」を目指し、旅立ちます。

ヘルシンキまでは、日本から直行便が出ています。またクォーク社の北極点クルーズ集合地である、「ヒルトン・ヘルシンキ・エアポート・ホテル」は、ヘルシンキ空港直結で徒歩数分の場所にあるホテルなので、個人旅行でも迷わず集合地へ行けると思います。

世界中から参加する乗客の皆様とこのホテルで合流します。

この日の夕食は、旅行代金に含まれていないため、各自ヘルシンキで夕食を済まして、明日に向けてゆっくり休みます。

 

2日目:

6:00、大きい荷物(スーツケース等)を出し、ホテルでビュッフェ式の朝食をとります。

朝食を済ましたら、チェックアウトし、ヘルシンキ空港まで歩いて、クォーク社のチャーター機で乗船地である、ロシアのムルマンスクへ飛び立ちます。

ムルマンスクに到着すると入国審査があります。毎度ここで時間が掛るのですが、今回は、入国審査台が、4つに増えていたので、比較的スムーズに入国することができました。

また、トイレ事情も改善されていて、以前より良くなっていたと思います。

ムルマンスク到着後、大きな荷物は、クォーク社が客室まで運んでくれるので、身軽な格好で団体バスに乗り込みます。

団体バスは、北極クルーズで一緒に旅をする乗客と一緒になります。

バスはロシアの高速道路を約40分かけて、市内のホテルへ向かいました。

ムルマンスク市内のホテルでは、ビュッフェ式の昼食を食べ、昼食後、乗船時間まで団体バスでムルマンスク市内の半日観光を楽しみます。

ムルマンスクの観光では、祖国防衛記念碑(通称アリョーシャの像)や水夫の守り神の教会、原子力潜水艦クルスク慰霊碑などを見ることができます。最後に市内のスーパーマーケットを見学し、ムルマンスクの街を楽しみました。

 

夕方17時過ぎ、港のロシア原子力船団本社ビル内のセキュリティチェックを通過し、50イヤーズ・オブ・ヴィクトリーに乗船です。

乗船後は、船内ツアーやエクスペディションスタッフとホテル部門スタッフの紹介、パルカ(防寒着)とレンタルブーツの受け渡しが続き、夕食となります。

その間、50イヤーズ・オブ・ヴィクトリーは、出港します。

途中、航空母艦や歴代の原子力砕氷船とすれ違い、コラ湾からバレンツ海に出ました。いよいよ北極点に向けてのクルーズが始まります。

 

3日目:

昨日の出港から一夜を明かし、引き続き静かなバレンツ海をクルーズ、フランツヨーゼフ諸島に向けて北上中です。

この日は、全員参加の避難訓練が行われ、自分たちの救命ボートを確認します。その後は、皆それぞれの北極クルーズで過ごします。

船内では、北極講座が始まります。今回のテーマは「北極の鳥」と「フランツヨーゼフ諸島の発見と歴史」。今回の北極クルーズは、クルーズライフから日本語同時通訳が乗船しているため、英語の内容も日本語で理解でき、英語圏の乗客と一緒レクチャーをお楽しみいただけます。

夕食前には、毎回リキャップが行われます。リキャップは、今日の出来事をおさらいしたり、明日の予定についての解説があります。また今日のリキャップでは、船長のウェルカムカクテルパーティがあり、今回の北極クルーズを指揮するルブソフ船長、ほか各士官たちが紹介されました。

 

4日目:

気温は0度となり、乗船地のムルマンスクでは15度くらいあった気温から変わりキンっと冷え込んできました。

今回の北極クルーズでは、乗客に混じり、フランツヨーゼフ諸島の公園管理官が8名同乗しており、情報量が少ないロシアの北極国立公園となっている、フランツヨーゼフ諸島の話が聞けたり、ホッキョクグマの国際保護組織である「Polar Bear Int’l」の話が聞けました。

 

午後、北極点クルーズ最初の船外活動が始まり、ホール島南端に近い、テゲトフ岬に上陸しました。

奇岩が特徴の浜辺とツンドラには、夏の終わりが近いのにホッキョクヒゲナシやムラサキユキノシタなどの可愛い花たちが残っていました。鳥崖には、ミツユビカモメやシロカモメが巣を作っている光景が見れました。

夕食中には、通過した狭いネグリ海峡でホッキョククジラ2頭を見ることができました。

ここのホッキョククジラは、絶滅したかもしれないと言われていましたが、ここ数年は毎年見れるという事もあり、数が増加しているかもしれないと言われています。

夕食後、アルガー島にあるジーグラー探検隊基地跡の発掘調査をするべく、国立公園管理官4名が下船しました。彼らは、この霧に囲まれた瓦礫の海岸に3週間留まるそうです。

私たち乗客もこの機会に短い上陸観光をしました。

 

5日目:

 

周りの景色は、海氷に囲まれ静寂な世界の中、砕氷船は氷を割り順調に北上していきます。

朝、サプライズゲストとしてホッキョクグマが2頭現れました。

ホッキョクグマは、好奇心旺盛に私たちが乗る50イヤーズ・オブ・ヴィクトリーの目の前まで近づいてきました。

 

船内では、北極講座が午前と午後に行われました。テーマは「北極海のクジラ」「海氷のできるまで」「北極点探検の歴史Ⅰ」。

またこの日は、ヘリコプター遊覧を実施。7~8分間ほどの遊覧を順番に、北極海を空から眺めます。

砕氷船50イヤーズ・オブ・ヴィクトリーが氷を割って進んでいく姿は、迫力満点です。

 

6日目:

北緯86度32分、気温-4度、順調に北極点へ向けて進んでいます。周りの海氷も多くなり、気温も下がってきましたが、例年より氷板が薄く氷丘脈も少なかったようです。開水面もあちこちに見られ、船の速度も落とさずに北上していきました。

 

例年は、北極点まで最後の1度(約111㎞)にラミングを繰り返して難儀していましたが、今年はこのまま順調に北上でき、予定より早く北極点に到達できるかもしれないと予想されました。

昼食前には、船長室で言葉別のカクテルをいただく機会がありました。ここでは船長とツーショットの写真を撮ったりと特別な時間を過ごせます。

今日の北極講座のテーマは、「砕氷船の砕氷方法」「ジョン・フランクリン隊のエレバス号発券ドキュメンタリー映画」「北極点探検歴史Ⅱ」でした。

 

夕食後には、クルーズライフが予め日本人のお客様向けに用意している、日本語の映画上映もしています。

本当に退屈をしない北極クルーズを楽しめます。

 

 

夕食が終わった頃になると今夜中に北極点へ到達することが確実となりました。

5海里手前から北極点到達のカウントダウンが始まり、乗客やスタッフ皆が前甲板に集まってきました。

 

乗客の中には、自前のGPSを見つめ、その時を待っている方もいらっしゃいます。

23:23船長のGPSが90.0000Nをさして汽笛が鳴りました!

 

用意されているシャンパンを片手にみんなで乾杯!持参した国旗を着て記念撮影をしたり、旅の仲間と抱き合ったりと、地球の頂点、北緯90度に到達した感動の瞬間をみんなで喜び合いました。

 

いま私たちがいる場所は、周りの360度すべてが南です。北極旅行前に地球儀を見ながらこの日を待ち焦がれた人も多いはずです。

「人生は何度呼吸をしたかによって量られるのではなく、何度息を飲むような経験をしたかによって量られるべきだ」

 

エクスペディションリーダーのシェリーの挨拶でこの日は、締めくくりました。

 

7日目:

この日は、北極点へ上陸し氷上で一日を過ごしました。

先ず、大きな氷板に降り立ち、極点印を中心に、円になって乗客全員で記念撮影をしました。

 

船長の挨拶があり、そのあとは、皆それぞれの時間を楽しみます。

氷上散歩をしたり、写真撮影を楽しむ方や衛星電話が設置され、故郷の家族や友人に電話している方もいます。

 

ここでは、ポーラープランジ(飛び込み大会)も開催されます。この日は30名ほどの乗客たちが、冷たい北極海に飛び込み、ギャラリー含め大いに盛り上がるイベントとなりました。

 

昼食は、BBQです。極点の氷上で食べるお肉とホットワインは格別の美味しさがあります。

熱気球は、上空の風が強かったため中止となりましたが、北極点滞在の最後に、エクスペディションチーム対50イヤーズ・オブ・ヴィクトリー船員の氷上サッカー試合が行われました。

 

夕方4時頃、船は、北極点を出発し進路を南に向けた。

船に戻ると、図書室の郵便ポスト近くに今日の日付が付いた、北緯90度の公式スタンプが出されていた。

手帳やはがきに押す人など、そしてパスポートに押してもらった。

この日、夕方の船内は、とても静かでした。きっと北極点到達の思いを噛みしめている人や、特別な時間を過ごした感動の余韻に浸っている方が多かったのであろう。

 

8日目:

本船はフランツヨーゼフ諸島に向けて南下しています。

 

この日は、北極講座、テーマは「北極海のエコロジー(食物連鎖)」、日本語の映画上映は「フランツヨーゼフ諸島探検歴史」がありました。

 

午後、北極では珍しい巨大な氷山に遭遇しました。氷山からの昇華により低い雲が出来ていてここだけの小天気を作り出していました。

夕食は、北極点到達記念の特別メニューが出てきました。

 

9日目:

朝6時と7時と続けざまにホッキョクグマが現れました。

7時頃見たホッキョクグマは、フランツヨーゼフ諸島の北端、ルドルフ島フリゲリー岬前の小高い氷丘脈の上に寝ていました。ここには、お休み中のホッキョクグマと強風のため上陸観光はできませんでしたが、本船は、崖上の記念十字架が見える断崖に限りなく近づけて本船から島の様子を見学できました。歴代の探検家はここに立って北を見つめて何を思っていたのであろうかと感じる、浪漫ある場所です。

 

島の間を航行していると、今度はホッキョクグマの親子が現れました。栄養状態の良い子熊は生後約8か月程度で元気にお母さん熊について回っていました。

 

午後は、グループごとにエンジンルームツアーが行われ、世界最大の原子力砕氷船の心臓部を見学できました。原子力で蒸気を発生させタービンを回し、それにつながる6基の発電機が75000馬力相当の電力を作り出します。6~7年は燃料棒を変えなくても良いなど、船の内部まで見学できる貴重な体験でした。

本船は、偉大な探検家ナンセンが越冬したジャクソン島に到着しました。海氷が押し寄せていたため、ゾディアッククルーズが使えなかったので、双眼鏡でその越冬小屋跡を遠望しました。

次の目的地アポロノヴァ島に向かう途中、ホッキョクグマが2頭現れました。これで今回のクルーズ9頭目の野生のホッキョクグマです。

 

アポロノヴァ島に到着しました。ここでは、ゾディアッククルーズを楽しみ、なんと100~200頭くらいのセイウチの群れと遭遇しました。

群れの中には、子供も見ることが出来ました。水中にいる何頭かは、ゾディアックボートに向かって威嚇するように寄ってきたセイウチもいます。まさにワイルドライフの世界です。

 

10日目:

午前、コリンソン・フィヨルドを通過します。天気が良いので、早朝から氷河上空をヘリコプター遊覧で楽しみました。空から見る氷河は奥の方まで見え、海岸まで届いている様子や途中で薄く消えている様子などを発見することが出来る感動体験でした。

 

午後は、チャンプ島のフューム岬に上陸観光予定です。しかし、上陸地付近にホッキョクグマが歩いているのを確認し、ゾディアッククルーズとなりました。

 

ゾディアッククルーズでは、氷河の融解水が大きな滝となって流れている様子や細かい崩落も見ることが出来ました。

海岸近くの氷山には、たくさんのミツユビカモメを観察することが出来ました。そして、先ほどのホッキョクグマは、私たちの上陸予定だった場所で、優雅にお昼寝をしています。憎めない可愛い姿を見せてくれました。

 

早めの夕食後、今回のクルーズ最後の観光予定地、フッカー島のティカヤブクタ(静かな湾)に到着しました。ゾディアックボートで旧ソ連時代のセドフ基地に上陸。危険物は取り除かれ、今では木道や自然歩道が整備されて歩きやすく自然に優しい基地博物館として生まれ変わっています。

 

観光シーズンには、郵便局と小規模な売店を営業していてます。

次に、ルビニロックを見に行った。ここでは、ハシブトウミガラスが営巣しており、丁度この時期ヒナが巣離れして海に飛び降り、泳ぐ練習をしている時期だそうだ。

本船は、鳥たちを轢き殺してしまう可能性があるため、近寄らなかったが、ハシブトウミガラスの親子が泳ぎの練習をしている様子が観察できました。

 

 

ホッキョクグマ、セイウチ、氷河、海鳥たちと北極の大自然を満喫し素晴らしいフランツヨーゼフ諸島の2日間を過ごせました。

 

11日目:

本船はバレンツ海をクルーズして、ムルマンスクへ順調に進んでいます。

今日は終日クルーズの一日でしたが、北極講座や映画上映など、退屈しない時間が過ごせるのが魅力的です。

 

夕食前、最後のリキャップがありました。その後ホッキョクグマ保護のための慈善オークションが開催され大いに盛り上がる夜となりました。

 

12日目:

海の色がずいぶん明るくなり、気温も暖かくなってきました。

下船説明会が行われ、レンタルブーツの返却や帰りの身支度をして置いたり、のんびり一日を過ごしました。

12日間のクルーズは、あっという間で、明日の朝には下船だと考えると寂しくなります。

 

13日目:

朝5時に朝食を済ませ、パスポートを受け取ります。

クルーやエクスペディションスタッフに別れを告げて下船します。

ムルマンスク空港に向かう前に、今では博物館となっている初代原子力砕氷船レーニン号へ行きました。国の名誉をかけて建造したと思える豪華で丁寧な内装や実際のエンジンルームを見学することができました。

 

ムルマンスク空港に到着。出発待合室は、綺麗なトイレと小規模の免税店があります。

クォーク社のチャーター機は、乗客全員が揃うと予定より早く出発となりました。

北欧フィンランドの首都ヘルシンキに戻ってきました。

クォーク社の北極点クルーズの行程最終日は、ヒルトン・ストランド・ヘルシンキホテルでのラストナイトで解散となります。

 

翌日は、朝食後、皆それぞれ旅を続ける方や母国へ帰る方など様々でした。

 

14日目:

朝食後、ヘルシンキ空港へ向かい、日本へ帰国します。

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