- みんなの南極旅行
初めての南極旅行② ~ウシュアイア出港、南極到達~
出港の前日、南米最南端のウシュアイアの町を散策。とても小さな町で、メインストリートを端からは端まで簡単に歩くことができました。道の両側には、お土産屋さんやレストランが数多く立ち並んでいて、24時間営業のコンビニエンスストアもありました。また、小さいながらもカジノがあったのには驚きました。
私は、港のすぐ目にあるアルバトロスホテルに泊まりました。とても清潔感のあるホテルですごく快適です。ロビー階にはジャグジー風呂とサウナの部屋があって、長時間フライトの疲れを癒すことが出来ました。港の目の前にあるインフォメーションオフィスでは、記念のスタンプを押してもらえるので、絵葉書を買って持っていきました。
いよいよ出港の時間になり、私は、シー・アドベンチャラーに乗船しました。まず、自分の部屋に行き、スーツケースが届けられているかの確認をしました。そのあと、ラウンジやライブラリー、レストランやレセプション、操舵室や医務室など、船内をぐるぐる歩き回りました。かくれんぼのオニのように小走りをしたのを覚えています。
船がゆっくりと動き出し、私は、デッキに上がりました。振り返るとウシュアイアの町がだんだんと小さくなっていきました。「いよいよかぁ~」と思わず微笑みました。心地よい風を全身に受け、南極旅行へ出発です。事前に、酔い止め薬をしっかりと飲んで、世界の荒波ドレーク海峡に備えましたが、予想に反して全くと言っていいほど、船は揺れず波は大変穏やかでした。
船内では、救命胴衣を着用しての避難訓練が行われました。南極クルーズは安全第一と聞いていたので、私も真剣に取り組みました。ラウンジで行われた探検隊長の南極旅行の説明会(注意事項)では、ゾディアックボートの乗り方など様々な話がありました。
専門家による講義も日本語の同時通訳がいたので、とてもよく理解できました。野生動物の話や氷山の話、探検の歴史の話など内容は盛りだくさんでした。朝昼晩の食事もとてもおいしく、ウェイターもいつも笑顔でもてなしてくれました。
出港して2晩が明け、いよいよ目の前に、あの南極大陸がうっすらとその姿を現しました。船の周りには、多くの海鳥たちが我々を迎えてくれていました。氷山の上に寝そべっているアザラシは、首をひょこっと上げ、こちらを覗き込むように見ました。そして、「おお~、よく来たね。」と言ってくれました。
我々の船の周りでは、ペンギンたちがものすごいスピードで泳ぎまわり、歓迎してくれました。そして、いよいよ初めの一歩、南極大陸上陸です。「ネコ・ハーバー」という場所に上陸しました。ゾディアックボートで大陸に近づくと、ゼンツーペンギンたちの鳴き声が方々で聞こえてきました。その数も数え切れないほどです。「失礼します」「お邪魔します」という言葉がピッタリの上陸でした。
私は、一歩一歩ゆっくりと大陸を踏みしめました。目の前の野生のペンギンたち、まわりの壮大な氷山、澄んだ空気、広くどこまでも続く青い空、まるで夢の世界に迷い込んだようでした。それは、私たちの住んでいる同じ地球とは思えない光景でした。夢の世界とはまさにこのことを言うのだと実感しました。