- みんなの北極旅行
スピッツベルゲン島探検クルーズ記④
11日目/ビヨンハムナとベルガブクタ、ホルンスン
午前、ビヨンハムナの上陸場所の沖合に到着。
朝食後、上陸観光の準備をしゾディアックボートに乗船。
海岸に上陸した後、ハイキングのグループに合流。
岩と苔に覆われた丘をヒメウミスズメの繁殖地にむけて出発。岩場の間には、可憐な花々が咲いている。
岩がちで道なき道を足元に注意を払いながら、なだらかな丘をゆっくりと進む。時間とともに汗が滴り落ちる。40分ほど歩いた頃、岩場多い山の急斜面が現れた。
その岩場には、無数のヒメウミスズメが繁殖している。汗だくになったので、防寒具を脱いで鳥たちを見学。ヒメウミスズメは、小さな鳥のため、望遠レンズを利用しての写真撮影もなかなかテクニックが必要だ。
観察した後、再び海岸に向けて出発。海は、氷河から流れ出た氷で覆われている。とても素晴らしく感動的な眺めだ。
ゾディアックボートで本船に戻る途中、ブルーに見える美しい流氷を見る事ができた。
本船に戻ったあとは、昼食をとった。
夕方、ベルガブクタに到着。海は穏やかだが、濃霧で300m先は殆ど見えなかった。
ゾディアックボートで出発。氷河を見学する予定だ。途中、パフィンやヒメウミスズメ、ミツユビカモメが海で餌を採っているのが見えた。
流氷が美しい。40分程、クルーズをした後、切り立った断崖から滝が流れ落ちているのが見えた。やがて氷河の前に到着、大きな氷河なのだろうが、霧で覆われているので全体像が見えない。氷河見物もほどほどにして本船に戻る途中、沢山のミツユビカモメが流氷上で翼を休めている。とても壮観だ。
暫く見学した後、今度は、氷山にのったアゴヒゲアザラシを発見。暫くアゴヒゲアザラシを観察した後、本船に戻った。
今日は屋外のデッキでのバーベキュー・ディナーの予定だったが、雨のため、屋内のレストランに変更になった。個人的には、屋外の寒い場所で、冷えた食事を食べるよりも暖かい屋内での食事の方が嬉しかった。
12日目/ベルソルブクタとミッドフックフィレ、ベルスン
いよいよ今日が最後の見学の日だ。相変わらず濃霧に覆われている。とりあえず朝食をとった。
その後も濃霧は、晴れず午前中の活動が危ぶまれた。見学場所を変更し、ミッドフックフィレに向かった。
昼前、多少濃霧が晴れ、ゾディアック・クルージング行われた。海岸に近づくにつれ海岸の様子が見え始めた。ヒメウミスズメとミツユビカモメの繁殖地が広がっている。
見渡す限りの断崖絶壁には、海鳥がびっしりと巣を作っている。崖の下には、鳥の卵を狙ってホッキョクキツネも数匹見える。
その後、付近をクルージングした。途中、海に遊ぶ数匹のパフィンも見学できた。そして本船に戻った。
夕方、本船は、下船予定のベルソルブクタに到着。
上陸後、ベルーガの捕獲小屋が見えた。ここは、1700年代に、大量のべル―ガは、燃油の為に捕獲された場所である。さらに上陸場所から100mほどの海岸縁に大量のベルーガの骨が山積みになっていた。何と残酷な事かと考えさせられてしまった。
ベルーガの骨の近くに立ち入りは禁止されているので、離れて見学をした。
その後、ツンドラの大地を散策、様々な花々が咲きほこっていて、短い夏を謳歌しているようだ。
1時間程見学して本船に戻る。18時00分からリキャップがおこなわれ、帽子のコンペティションの表彰やこの航海を降り返っての話とスライドショーが開催された。
さらにフェアーウエル・カクテル、それに続き、フェアウエル・ディナーが催され夜遅くまでパティーが続いた。
最終日/ロングイヤービーエン到着し下船
早朝、船は、すでにロングイヤー・ビーエンの港に着岸していた。
船の準備をし朝食に向かった。
朝食後、パスポートを受け取り、乗組員やエクスペディション・スタッフに別れを告げ下船。
スーツケースは空港に送り届け、我々乗客は、町の広場に一旦送迎し、昼過ぎに町の広場から空港に送迎してくれる。嬉しい心遣いだった。
このスピッツベルゲン島一周クルーズでは、極北の神秘を心から満喫する事ができた。また、心優しいスタッフや同乗のお客との出会いは北極旅行の素晴らしい思い出ともなった。