- みんなの北極旅行
スピッツベルゲン島探検クルーズ記③
7日目/ファックスバーゲンとアルケフィエッレ、ヒンローペン海峡
穏やかな航海、朝食後、ゾディアックボートに乗りファックスバーゲンに上陸。なだらかな斜面の山を登る。様々な高山植物がお花畑のように咲きほこっている。
途中ライチョウの番(つがい)を発見。仲良く連れ立って歩いている。
それからほどなくして、オスのスピッツベルゲントナカイを発見。一心不乱に僅かに生えた草花を食べている。山の稜線には、親子連れのスピッツベルゲントナカイが遠望できる。
歩いているうちに熱くなってきたので、パルカの前をはだけて、ハイキングを続けた。冷気が心地よい。
氷河やフィフィヨルドなど素晴らしい景色がパノラマのように広がっている。とても感動的だ。やがて霧が出て来たので下山を始めた。無事に海岸に到着。
とても素晴らしいハイキングであった。本船に戻り、昼食をとった。
午後は、アルケフィエッレでゾディアック・クルージングをおこなった。海鳥の繁殖地が広がっている。ミツユビカモメやギルモットが餌場と巣を飛び交っている。崖に沿って中央部に進むにつれ益々その数は増えていった。
断崖は、海鳥の巣で覆われていて、約67,000番もの海鳥が繁殖しているとのことだ。
崖の巣にいる鳥、空を舞う鳥、海で餌を採る鳥、私たちが乗ったボートに空を飛び交う鳥のフンが落ちてきた。大変な状況の中、ただただ圧倒されたクルージングであった。夕方本船に戻った。
客室に入った後、ベッドで約1時間の休息をとった。そして夕食をとり1日が終わった。
8日目/ノースアダスランド
昨日までの好天から一変して、雨が降っていて、霧が立ち込めている。
午前中は、セイウチを見学する予定だがどうなるか心配だ。
9時上陸開始予定だったが、霧雨に変わった11時頃に上陸観光が始まった。
海岸に上陸した後、エクスペディション・スタッフから「物音を立てないこと、一列で見学する事などの」注意事項を受けてから、セイウチがたむろしている海岸砂浜の一角まで霧雨が降りしきる中を進んだ。
30頭ほどのセイウチが砂浜いた。殆ど身動きもせず体を寄せ合って寝ている、時折、その中の1頭が頭を上げるが直ぐに寝てしまった。 数頭のセイウチが海で泳いでいるのも見えた。寝ているとは言え、あれだけの巨体が目の前に、30頭もいると迫力を感じた。観光を終え本船に戻り、昼食をとった。
夕方、ブラスウールブリーンで2頭のホッキョクグマを発見との船内放送で、霧雨の降る中、ゾディアックボートでホッキョクグマを見に出発。
しかし、2頭のホッキョクグマとも海岸からなり離れた所にいて、望遠レンズを使用しても写真撮影には無理があった。さらにホッキョクグマも丘を越えて視界から消えてしまったので、見学もほどほどに引き上げた。
本船に戻ってから北極講座やリキャップを楽しんだ。夕食後、エクスペディション・スタッフのカナダ北極圏のカヌー旅行の話を聞き、一日が終わった。
9日目/クレイマーピンテンとアンドレネセット
早朝起床。好天を期待して窓の外を見るが、霧が立ち込めている。日が照っているが青空は無い。
朝食後ゾディアック・ボートでホッキョクグマの見学に出発。海は多少うねっている。ゾディアックボートもかなりの揺れだ。
海岸に向かって進んでいると突然、海を泳ぐセイウチの群れを発見。ホッキョクグマの見学を止めてセイウチを見学する事になった。
20頭前後の群れが、数か所に見える。あまり近寄ると危険なので、距離を保っての見学となった。
揺れるボートからの写真撮影は、困難を極めた。突然として背後から2匹のセイウチが顔を表した。振り返るとほんの1mほどのところに巨大なセイウチが見えた。大いに興奮しながら1時間程セイウチ見学を満喫した。本船に戻る頃には、うねりがさらに強くなりつつあった。
私たちは、次の目的地であるアンドレネセットに向けて航行を開始した。到着は、午後4時頃の予定とのことだったので、昼食をゆっくり楽しんだ。
クビトーヤ島の北東端に到達。海は凪いでいる。空は、青空が広がり最高の天候状況になった。
ゾディアックボートに乗ってホッキョクグマの探索に向かったがなかなか見つからない。ところがセイウチの生息場所に出くわし、そこで写真撮影となった。ホッキョクグマの探索そっちのけでセイウチの写真撮影をおこうことになった。
本船に戻る途中、新たなセイウチの生息場所があり、また写真撮影を楽しんだ。ところが突然ホッキョクグマも現れ、さらにセイウチとホッキョクグマの写真撮影と観察で大いに盛り上がった。
本船に戻ったのは、19時過ぎでの事であった。
その後、夕食を楽しみ、21時過ぎからリキャップがおこなわれた。今日は、とても充実した1日であった。
10日目/スンドネセットとキャンプ・ワルドバーグ
今日は、少し風が強く海面には、波頭がたっている。
午前中は、スンドネセットへ上陸しハイキングだ。ツンドラの大地は、厚い絨毯でも敷き詰めたようにクッションが心地よい。様々な花々が咲いている。
短い夏を思いっきり謳歌しているようでもあった。
この場所は、1万年以上も海底にあった場所が隆起したため、クジラの骨が山の中腹に残り、その周りは、苔で覆われている。3頭のスピッツベルゲン・トナカイが一心不乱に苔と草花を食んでいる。
遠方には、さらに10頭ほどのトナカイ見える。ハイキングを楽しみ本船に戻った。
昼食後、ホッキョクグマが見えるとの船内放送でデッキに出るが遥か遠くに親子づれのホッキョクグマが見えた。
本船は、キャップ・ワルドバーに向けて航海している。
夕方キャップ・ワルドバーグに到着。 山裾が断崖絶壁の風景が広がっている。
約27万番ものミツユビカモメが繁殖しているミツユビカモメの渓谷をゾディアックボート上から見学する。見学するには距離がありすぎた。
本来なら、上陸して繁殖地まで行く予定だったがホッキョクグマがいるために近づけない。海辺にも多くのミツユビカモメがいる。海にも時折やってきては、餌をとっている。
その後、氷河を見学。氷河には、土が交じり、あまり綺麗とは言えない。山の中腹まで降りて来たホッキョクグマを見学するがやはり距離があった。ゾディアック・クルージングを楽しんだ後本船に戻った。