ホエーラーズ・ベイ(WHALER’S BAY)
南緯62°58′西経60°37′
ホエーラーズ・ベイは、ネプチューンズ・ベロウ(海神のふいご)と呼ばれるデセプション島のカルデラ湾内への狭い入り口を通りぬけたすぐ右舷側に位置しています。1906~1931年までの間捕鯨業者が使用していたため、ビーチにはペンギンやアザラシの他に捕鯨時代の遺物を見る事が出来ます。また、タイミングが合えば、地熱で温められた海から水蒸気が上がる様子もご覧いただけます
この湾は20世紀初頭に捕鯨基地として非常に栄えた場所であったことから、フランス人探検家ジャン・バティスト・シャルコーによりホエーラーズ・ベイ(クジラ漁師たちの湾)と名付けられました。錆びついたボイラータンクや廃屋は1910~1931年の間に陸上捕鯨基地としてこの場所が使われていたころからの名残です。
デセプション島はサウスシェトランド諸島の中では最も火山活動が活発な場所です。
デセプション島の平均標高は300mで、南西にはカークウッド山(標高465m)があり、東にはポンド山(標高548m)があります。標高100mあたりに氷河と灰を含んだ雪原が黒い灰岩石の台地と境目を作っているデセプション島は1800年、1812年、1842年、1871年、1912年、1956年、1967年、1969年そして1970年に噴火しています。
この湾には鳥類が多く営巣しており、ミナミオオセグロカモメやマダラフルマカモメ、アシナガウミツバメやナンキョクアジサシが営巣しています。上陸地点近くの雪解け水の溜まった小さなプールにはオオトウゾクカモメたちが水浴びに集まります。ゼンツーペンギンやヒゲペンギンも浜に姿を見せることがありますがここで営巣しているわけではありません。ウェッデルアザラシやカニクイアザラシ、ナンキョクオットセイも夏になるにつれて姿を見せます。