アンタークティカ21社 2018-19年 南極
3/16

 1912年、ドイツ人地質学者アルフレート・ヴェゲナーは、南極大陸にあるペルム紀(古生代)の地層を調査し、2億2千万年前に壊れて散ったゴンドワナと呼ばれる巨大な一つの大陸の一部だと推論しました。 南極大陸の存在は紀元前400年にギリシャ人によって推測されていましたが、それは「北に大きな大陸があるように、南にも大きな大陸があるはずだ。」という理由からでした。その後時代は流れ、大航海時代がやってくると初めての南極海への航海が行われました。英国の商船隊員アンソニー・デラロシュによる1675年の初の航海を皮切りに、数々の冒険者たちによってその地図が書き加えられました。現在の地名は彼らの名前に由来しています。 南極は南緯60度以南の全ての地域と定められています。その面積は1,400万㎢以上で、丸みを帯びた大陸の直径は約4,000kmあります。南極大陸は、より古くから存在し広い大南極(東部南極)と、新しく形成され北に向かって飛び出した南極半島のある小南極(西部南極)の2つの区域に分けることができます。それに対応するようにウェッデル海とロス海というそれぞれ独自の特性を持つ海がそなわっていて、南極大陸の90%は氷で覆われています。南極大陸の標高は、平均で海抜2,250m以上あり、最高地点では3,000mを超えます。こういった山岳地帯が吹きすさぶ強風を作り、この気候システムが地球全体の、特に南半球の気候を大きく左右します。地 理起 源南極は世界で最も寒く厳しい気候で有名です。南極の内陸の平均気温は、最寒月の8月で-70℃から-40℃、最暖月の2月で-45℃から-15℃で推移します。これに比べ、沿岸地域では最寒月で-32℃から-15℃、最暖月で-5℃から5℃程度です。この沿岸地域の最暖月がご旅行中の気候の指標となります。気 候発 見2

元のページ 

page 3

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です